11月 20, 2019

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最近、皆さんは、USB4 という文字が技術論文やソーシャルメディアで使用され始めているのを目にして、「あーあ。また新しいUSB仕様が生まれて心配の種が増えた」と思ったかもしれません。あるいは、USB Type-C を検証し始めたばかり、または最初のデバイスを設計したばかりで、それをようやく理解したと思った途端に、USB-IF から別の新しい仕様が発表されたというのが事実かもしれません!USB-C およびUSB Power Delivery(PD)における別の命名規則、および完全に新しい仕様が生まれています。

では、USB4 は設計にどのような影響を与えるでしょうか?それは状況によって異なります。このブログは、何が変わったのかを理解するために複数の仕様を網羅した数千ページの文献を読みたくない人のために書かれたもので、USB4 がアプリケーションに与える潜在的な影響を理解するために十分な全体像を示すことを目指しています。

つまるところ、USB4 はインタフェースの帯域幅を増やす次世代のUSB データ仕様であり、他のプロトコルによる物理的なインタフェースの共有を可能にします。USB とインタフェースを共有する最大のプロトコルは、Intel のThunderbolt です。2000年以降、USB-IF は、増加する顧客のデータニーズに対応するために、インタフェースのスループットを系統的に高めてきました。2000 年のUSB 2.0 を手始めに、2013 年にはUSB 3.2 へ移行し、USB のデータ転送速度は480Mbps から20Gbps へと高まりました。USB4 は、さらにデータ転送速度を40Gbps のスループットまで高めます。

 

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それはどのように実現されているのでしょうか?それは、レーン数の増加とインタフェースの速度アップの組み合わせによって達成されます。USB-IF は、Type-C コネクタの両方の超高速ペアでトラフィックを可能にするx2 機能の概念をUSB 3.2 で導入しました。USB4 は、既存のUSB3.2 およびUSB2.0 インタフェースと完全な下方互換性があります。


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USB4 は、過去のUSBデータ仕様から分岐しましたが、前世代が行ったようにUSBデータ回線を使用するのではなく、USB Type-C コネクタおよびUSB PD プロトコルを完全に活用して、データリンクの設定および初期化を行います。この変更により、USB4 は、USB Type-C コネクタとUSB PD が必要となります。USB Type-C とPD が統合されたことで、これらの仕様はUSB4 に合わせてアップデートされる必要がありました。主なアップデートは、USB4 固有のコマンド、USB4 用のEnter やExit コマンドなどのフィールド、USB4 対応ケーブルを識別するフィールド、およびSBU ピンを使用してアクティブな回路を識別および構成し、より高いデータ転送速度をサポートするためプロビジョニングです。

そこで、皆さんの設計はどうなるでしょうか? 現在USB3.2 やThunderbolt を使用して設計している場合、USB4 は魅力的なアップグレードであり、より詳しく検証する価値があります。USB3.2 設計でType-A コネクタを使用している場合、USB4 を導入するためには、USB Type-C へ切り替えてUSB PD コントローラを選択する必要があります。オン・セミコンダクターは、USB4 用コントローラの包括的なポートフォリオをご用意しています。設計で既にType-C コネクタを使用している場合、USB4 で必要な新しいコマンドを導入するためにUSB PD コントローラへアップデートすることになります。オン・セミコンダクターのプログラマブルコントローラの場合、新しいコマンドおよびフローを導入するためのファームウェア・アップデートが必要になります。設計で電源や基本的な接続にUSB を使用している場合、USB4 はほとんど影響を与えません。アップデートしたUSB Type-C およびPD 仕様に準拠した設計にする必要はありますが、USB4 以外の変更は小規模です。オン・セミコンダクターのすべてのプログラマブルコントローラのポートフォリオは、ファームウェアのアップデートにより、USB Type-C の最新のコンプライアンス要件に対応できます。

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