従来のポイントツーポイント（P2P）Bluetooth接続とは異なり、Bluetooth® Low Energyメッシュネットワークは多対多トポロジを実装し、マネージドフラッディング（managed flooding）を使用してデータを送信します。その結果、イーサネットのネットワークのような集中ルーティングやルーティングテーブルは必要ありません。 Bluetooth Low Energy Mesh仕様は、複数のレイヤーで暗号化を備えた内蔵のセキュリティ機能も提供しており、ネットワーク内のノードは、メッセージの内容を意識する必要なくトラフィックを中継できます。ネットワーク上の潜在的な盗聴者は暗号化されたパケットを見るだけである一方で、ノードはそれらを容易に渡すことができます。これにより、設計のシンプルさを維持しながら、ネットワークセキュリティに大きな利点になります。適切に配置されたBluetooth Low Energyメッシュネットワークによる通信は、従来のP2P Bluetooth通信よりも長距離に及ぶことができます。これにより、以前はBluetooth技術の範囲外であったコネクティッド照明やリモートセンサ・モニタリングなど、さまざまな IoT アプリケーションが可能になります。
RSL10 Mesh Nodes Strata Gateway
図 1. RSL10 メッシュ・プラットフォーム・キット
RSL10 メッシュ・プラットフォームは、RSL10 Bluetooth 5仕様Socをベースにしたメッシュネットワーク・アプリケーションの開発向けに、多目的で容易に構成できるものです。このプラットフォームには、RSL10 ベースの2つのメッシュノードと Strata Gateway が含まれます。これにより、Strata Developer Studio™への接続が可能になり、また、ネットワークプロビジョニング機能として動作して、安全にノードを追加・削除できます。
メッシュノードは、RSL10 システムインパッケージ（System-in-Package、RSL10 SIP）に加え、複数の環境センサを備えており、温度、環境光、磁気の検出をモニタできます。ノードには、2.3 kHzトーンインジケータ、振動ブザー用のコネクタ、および調光機能とアラーム機能も含まれています。
図 2. RSL10 メッシュノード・ブロック図
Strata Gateway は、Strata Developer Studio™ へのシームレスで安全な接続をサポートします。このクラウド接続ソフトウェアにより、追加のメッシュネットワークのプロビジョニングとファームウェアオーバーザエア（firmware-over-the-air 、FOTA）アップデートが可能になります。開発者は、スマートオフィスやスマートホームを含む、一般的なメッシュネットワークの事例向けのバーチャルワークスペースを使用して、センサデータとトリガ設定にアクセスすることで、Strata の基本ビューでネットワーク内のすべてのノードの信号強度、環境光、バッテリ、温度、ノード接続などを表示できます。詳細ビューでは、利用者はいくつかのコード例を参照できます。
メーカーは、RSL10 メッシュ・プラットフォームにより、先進の事例について詳しく調べる前に、実際のさまざまなユースケースを体験し開発することが可能になり、メッシュネットワーク・アプリケーションを直感的な方法で実現できます。
図 3. Strata Developer Studio
開発者は、RSL10統合開発環境（IDE）内で提供されるRSL10メッシュ・プラットフォームのソースコード、またはBluetooth SIG準拠のRSL10メッシュパッケージで利用可能なサンプルを使用して、独自のアプリケーションをカスタマイズすることもできます。
図 4. RSL10 メッシュ・アプリ
GooglePlay™で利用可能なRSL10 メッシュアプリも提供されます。メッシュアプリはプロビジョニングツールとして機能し、新しいRSL10ベースのデバイスをメッシュネットワークに容易に展開し、Generic OnOffおよびLight Lightnessモデルを使用して、個々のノードまたはノードグループを制御できます。
RSL10メッシュ・プラットフォームをすぐに使い始める方法について、「RSL10メッシュ・プラットフォームの紹介（Unboxing the RSL10 mesh platform）」のビデオをご覧ください。
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