10月 06, 2020

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私たちが注目すべき時代に生きていることは否定できません。パンデミックが続く現在、アナリストは、さまざまな市場セグメントが今後数カ月にわたりどのように拡大または縮小するか、予測を再検証せざるを得なくなっています。2020年の翌年以降には、いくつかの分野で過去に予測された成長を達成する、または上回るという期待があります。大幅な拡大が見込まれる1つの分野はIoT、より具体的に言うとリモートモニタリング(遠隔監視)とオートメーション(自動化)です。

新型コロナウィルス(COVID-19)がIoTソリューションの需要に対して短期的な好ましい影響を及ぼしている証拠は、既にあります。ネット接続対応の医療機器は、販売および使用が増加しており、あるメーカーは、現在、米国で同社のスマート体温計が約200万個使用されていると報告しています。これが長期的な流れなのか、さらには恒久的な行動変化であるのか否かは不明ですが、1つの大きな流れを表す兆候であることは確かです。

遠隔会議および遠隔(実質的な対面)診療

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他の例としては、医療専門家の診療を含む、オンラインサービスを使用した遠隔会議が挙げられます。ビデオ診療は比較的簡単に導入できますが、患者がインターネットへ接続された医療機器を使用し、医療専門家の監視下で、より徹底的な遠隔診察を受けることができる例もあります。人々が医師の診察を直接受ける有効な代替手段としてそれを受け入れられれば、その利用が拡大すると期待できます。

行動観察

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行動観察も、スマート技術によって実現しつつある全く新しいと言えるアプリケーションの1つです。これにより、カメラを使用して公共スペースに無許可で集まっている人々を検知できますが、人々の互いの距離を追跡することもできます。私たちがより普通の生活に戻ろうとする中、これを使用することによって、比較的強制的でない方法でトラック&トレース機能を用いてソーシャルディスタンスを保つことができます。

自律走行ロボット

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また、私たちはさほど直接的ではなくても、新型コロナウィルスなどのパンデミックが、自律走行車への移行など今日の流れを加速化させることを期待できます。通常、配送業務の最後の工程は、配送車から建物への荷物の配達ですが、ほとんどの場合、それは配達人が徒歩によって手渡しで行っています。近い将来、私たちはこの最後の工程が自律走行ロボットにより行われ、この工程で人手が不要となり、荷物の配達など日々の活動においてソーシャルディスタンスを向上させることを期待できます。このシナリオでは、いくつかの技術が基本となります。これは新しい技術ではなく、IoTおよび既存の多くのアプリケーションで長年に亘り使用されていますが、新しい日常を実現するカギともなります。これら技術は、検知、理解、および通信という見出しで大まかにグループ化できます。

コロナの渦中およびコロナ終息後の実現技術

検知(センシング)という点において、多くの新しいアプリケーションは、イメージセンサを自分の眼として使用します。イメージセンサを補うのがLiDAR、超音波、レーダーであり、深層認知、衝突回避、および物体識別に役に立ちます。従来、イメージセンサは、人間が使用する情報をキャプチャするために使用されてきましたが、人間を必要とせず、機械がイメージセンサのデータを使用することが徐々に一般的になりつつあります。これは、顔認識技術による非接触型の建物の出入りなどコロナ終息後の複数のアプリケーション、および手洗いや手指消毒ジェルの放出などの自動化サービスもサポートするでしょう。

スマートデバイスが周囲の環境を理解する能力は、入手できるデータの品質に大きく左右されます。AR0237IRなどのセンサは、低照度条件でも優れた感度を提供すると同時に、可視および赤外線画像を両方取得できます。これには、いくつかの利点があります。たとえば、対処可能なデータへ素早くアクセスし、クラウドサービスへの高帯域接続への依存を減らします。

エッジでのデータ処理が、単なるゆるやかな流れではないことは疑う余地がありませんが、表現を借りれば、「新しい日常」となるでしょう。これをオン・セミコンダクターが実現している1つの例は、BLE(Bluetooth Low Energy)接続を統合したRSL10システムオンチップです。この小型のデバイスは、幅広いIoTと通信するための搬送メカニズムを含め、スマートセンサノードが必要とする膨大な機能を提供できます。

RSL10のようなソリューションは重要です。というのも、帯域幅は、IoTが貪欲に消費する貴重な存在だからです。この業界は帯域幅をより良く使用し、可用性を広げるための新たな方法を常に開発しています。RSL10はその1つの例ですが、もう1つの例はWi-Fiの継続的な開発です。最新世代であるWi-Fi 6とWi-Fi 6Eは、これを完璧に示しています。オン・セミコンダクターのクアンテナ・コネクティビティ・ソリューションズ(Quantenna Connectivity Solutions)部門は、Wi-Fi 5からWi-Fi 6およびWi-Fi 6Eへのシームレスなデュアルおよびトライバンド接続を提供するQCS-AX2チップセット により、Wi-Fi 技術の最先端に立っています。自宅、オフィス、および公共スペースでの安全性を保つためにもう1層のコネクティッドデバイスを実装するにつれ、Wi-Fi 6/6Eが提供する幅広い帯域幅および機能は、さらに重要となっています。

私たちは、世界が新型コロナウィルスから回復し、 コロナ終息後の世界に向けてより適切に準備できると確信しています。

詳しくは、「新型コロナウィルスが IoTへ及ぼす影響」と題する当社のウェブセミナーをご覧ください。オンデマンドで視聴できます。

参考資料