11月 20, 2018

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今後10年間でコネクテッドデバイスが数十億個に達すると期待される中、モノのインターネット(IoT)は、世界の電力消費に占める割合が徐々に増大するでしょう。したがって、デバイスメーカーは環境発電(エナジーハーベスティング)プラットフォームを使用した太陽エネルギーまたは慣性エネルギーによりアプリケーションを持続的に稼働する新たな方法を模索しています。

機器メーカにとって、バッテリーレスのアプリケーションの導入は多くの利点があります。バッテリやバッテリホルダーをなくすことで、設計と製造のプロセスを簡素化できます。バッテリは、製品の全重量の最大50%を占めるため、それをなくすことで製品の軽量化を実現できます。ユーザにとっての利点は、バッテリの交換や廃棄に伴う環境への影響を心配する必要がなくなることです。

このようなアプリケーションの実現に関わる最大の課題の1つは、ユーザが期待する無線の機能と機能性を提供しつつ、電力消費をできる限り最小限に抑えることです。

環境発電によるBluetooth® Low Energyリファレンス設計

エナジーハーベスティングによるBluetooth® Low Energyスイッチは、スマート照明、およびステップカウンタを含むバッテリレス・アプリケーションの実現に使用できる完全なリファレンス設計の1つです。このスイッチは、RSL10 SIPをベースとし、高効率のハーベスタを備えており、完全に自己発電して、業界で最小電力のBluetooth® Low Energyによる機能を提供します。


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どのように機能するのか?

この自己発電型のスイッチは、電気機械発電機を使用して機械エネルギーを電気エネルギーに変換します。このように生み出された電気エネルギーは、 RSL10を駆動できる十分なレベルで利用、変換、制御され、RSL10を起動してBluetooth® Low Energyのアドバタイジングパケットを送信できます。これは、単にスイッチが作動したことを示すことにもなりますが、RSL10に接続されたセンサのサンプリングを行い、データを処理して、Bluetooth® Low Energyを介して結果を送信できることも意味しています。

業界最小電力のBluetooth® Low Energy SoCの活用

RSL10は、Bluetooth® 5無線において業界最小の消費電力を実現し、受信電力はわずか5.6 mA(1.25 Vで7 mW)、送信電力は最大8.9 mAです。フレームプロトコルは、最大10 mSまで短くできるため、1つのフレームの送信に必要なエネルギーは、100 µジュール未満に抑えることができます。リファレンス設計に使用されたZFエナジーハーベスティングスイッチは、300 µジュールを生み出すことができ、スイッチが押されるごとにデータを収集、処理、および送信するために十分な電力を供給します。

RSL10は、従来のトランシーバよりもはるかに低い、1.25 V公称電圧で動作します。このため、 2.5 V (公称)で動作する他のトランシーバで必要なブースト(昇圧)コンバータを使用せず、 ZFスイッチをSiPに直接インタフェースできます。このダイレクトな接続により、BoMを削減し、より小型、より軽量、より安価、よりエネルギー効率の良いソリューションに、RSL10を使用できます。

エナジーハーベスティングは、IoTにおける重要な技術になると見られています。RSL10 SIPのような超低電力ソリューションを使用することで、エンドポイントが大量に展開されるため、メーカやユーザは、コネクテッドデバイスをグリッドから切り離して開発できます。


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エナジーハーベスティングBluetooth Low Energyスイッチのリファレンスデザインには、 BoM、概略図、およびRSL10 ソフトウェア開発キット(SDK)を使用して簡単にカスタマイズできるファームウェアが含まれていsdます。また、Bluetooth IoT開発キット(B-IDK)およびIoT開発キットと互換性があり、これを使用してセンサやアクチュエータの機能を追加できます。

エナジーハーベスティングBluetooth Low Energyスイッチの詳細に関しては、こちらをご覧ください。