7月 23, 2018

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人気のフィクション作品では、テクノロジが重要な役割を果たします。テクノロジがそれほどに日常生活に浸透しているということでしょう。たとえば、世界中で愛されるスパイ、ジェームズ・ボンドの映画シリーズを思い浮かべてください。「Q」がボンドの成功の陰のヒーローと言っても過言ではないでしょう。Qが提供する不屈の秘密兵器なしでは、ボンドはとっくにスクリーンから姿を消していたに違いありませんから。

ボンドの世界では「Q」はQuartermasterのQと言われており、「Quartermaster」は現実世界では通常、補給品を担当する将校を指します。Qが提供する武器にはいつも何か「足りないもの」があるのですが、われらが主役はたいてい秘策を隠し持ち、急場をしのぐのです。

1960年代にこの映画シリーズがスタートして以来、小道具は時代に合わせて変化してきました。最近のボンドは、モバイル技術を使いこなし、少なくとも1度は安全な後部座席に隠れ、スマートフォンを使って車を運転しています(なんとボンドらしくない様でしょう!)。


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こうした秘密兵器は映画の小道具にすぎませんが、何か納得させられるものがあり(車体を見えなくさせる光学迷彩装置は別として)、このリアリズムによって私たちに「不信の停止(虚構と知りながらも一時的に本物だと信じること)」が起こります。ボンドがスマートフォンを使って車を運転するシーンは、その完璧な例であり、実現するのはそう遠くないと思わせるのです。

多くの自動車、特に多くの先端技術を搭載している電気自動車やハイブリッド車は、今やこのレベルのコネクティビティを持っています。こうした自動車は、オーナーが特定の機能を遠隔操作できるスマートフォン/タブレットを相棒としています。これらの機能は、セントラルロッキングやエアコンの作動、電気自動車あるいはハイブリッド車の充電サイクルの設定などです。メーカが、車を発進させる機能と、駐車時に車のスピードを最適に保つ機能を統合している場合もあります。スマートフォンは私たちの生活の中でかくも大きな存在となっているため、スマートフォンが自動車に統合する方法は絶えず進化しなければならず、そのことは人気のフィクション映画で明確に認識されています。

インフォテインメント」の導入が進化の始まりでした。自動車メーカが、車載の機能的、非機能的なシステムを一体化し始めたのです。同じ時期に、スマートフォンメーカも、パワーとデータの両面でUSBインタフェースを標準化し始めました。現在は、この進化の過程における大きな一歩に差し掛かっています。USB-C(Type-C)コネクタが、スマートフォンだけでなく、他の多くの形態のモバイル電子機器の標準になろうとしているのです。

USB-C(Type-C)コネクタへの移行には時間がかかるでしょう。特に、関連する機器のライフサイクルが自動車よりもはるかに短いことがネックとなります。自動車メーカはFUSB302B プログラマブルUSB Type-C コントローラ( Power Delivery機能付)などのデバイスのおかげで急速にType-Cのインタフェースに移行する公算が大きい一方で、民生機器に「アップグレード」が行き渡るまでには数年を要するかもしれません。


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USB 3.xのPower Delivery(パワーデリバリ)面では、充電時間を短縮できる上に受給電力を増加でき、これらを標準の、あるいはメーカ独自のデータプロトコルと組み合わせることができます。これにより、自動車とモバイル機器間の双方向性は新たなレベルに達し、ジェームズ・ボンドばりの体験も可能になるかもしれません。

Smartphone ユースケースを含む当社のソリューションについての詳細はUSB-C ソリューションのページご覧ください。