2月 18, 2021

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現在のスマートフォンの広告では、ほとんどの場合、背面のカメラをスローパンで華麗に撮影しています。スマートフォンの最新モデルに搭載されているカメラは、革新性を示す代表的な指標となっており、ベンダーが競合他社との差別化を図るために採用している機能です。複数のレンズやイメージセンサに加え、最新のカメラ技術では、高解像度、ズーム機能の向上、低照度性能の向上などが実現されています。2020年に撮影されたデジタル画像の数はおよそ1 兆7,000 億枚で、そのうち85% 以上がスマートフォンで撮影されたものだと推定されています。デジタル画像の成長率は、2013 年から  2020 年まで毎年14% ずつ伸びています。この成長率は、2026 年まで続くと予想されています。この成長率とトレンドの持続性を考慮すると、携帯電話メーカーがカメラと画質の継続的な改善と革新に注力している理由がよくわかります。消費者向けの派手なコマーシャルではカメラに目が行きますが、ほとんどの人はこの洗練されたデバイスの背後にある電気的特性を考慮していません。

多くの消費者は、スマートフォンの鮮明な写真を単純に楽しんでいますが、画質を最適化するための設計上の努力を過小評価しています。画質に大きく影響するのは、カメラモジュールに電力を供給するPMIC (Power Management Integrated Circuit、電源管理IC)の精度、安定性、耐ノイズ性です。オン・セミコンダクターの PMIC 「FAN53870」は、スマートフォンに最適なパワーソリューションを提供します。

スマートフォンでは、デジタルコアの電力を繊細なアナログ/RF (Radio Frequency)の電力線から分離することが重要なポイントとなります。「FAN53870」は、このような課題を解決するために設計されており、正確な電圧制御、クラス最高の電源レール間絶縁、バッテリー寿命を維持するための低静止電流消費を実現しています。「FAN53870」は、2 個の低入力電圧レギュレータ(LDO)、3 個の高電源除去比(PSRR)LDO、2個の汎用LDO を備えており、カメラモジュール内のさまざまなニーズに対応しています。

 


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FAN53870 のブロック図

 

低入力電圧LDO は、デジタルコア電源用に設計されており、入力電圧は1.0V まで、出力電圧は0.8 Vまで対応しています。出力電圧は1.5% の精度で8mV ステップで設定可能で、高性能デジタルコアの電源供給を最適化します。3個の高PSRR LDO は、電源ラインにノイズが発生すると画質に悪影響を及ぼすため、繊細なアナログ/RF 回路用に設計されています。高PSRR LDO は、出力電圧範囲が広く、8mV ステップの正確さを維持していますが、これらのLDO の主な特徴は、業界最高レベルのPSRR と14µVRMS の出力ノイズです。最後に、「FAN53870」は、スマートフォンの設計者に柔軟性を提供するために、2個の汎用LDO を搭載しています。この汎用LDO は、1.9V ~5.5V の広い入力電圧範囲と、8mVのステップサイズも保証した1.5V~3.4Vのプログラマブルな出力電圧範囲を持つ汎用性の高い製品です。

FAN53870」は、システムの信頼性を確保するためのさまざまな保護機能を備えています。突入電流を制限するためのソフトスタートを実装しているほか、低電圧ロックアウト、過電流保護、低電圧保護、および過熱保護のためのI2C 保護フォルトレジスタを備えています。

このような多機能で低消費電力のPMIC は、スマートフォンの設計者にとって魅力的なだけではありません。「FAN53870」のパワーレール・アイソレーション機能は、ウェアラブル、ヘルスモニタリングデバイス、マシンビジョンを開発するシステム設計者にとっても有益です。これらのシステムには、精密なデジタルコア電源とノイズに敏感な絶縁されたアナログ電源が一般的に必要とされるため、PMIC のニーズが重なります。「FAN53870」は、オン・セミコンダクターが開発した、業界をリードするPMIC ファミリの中の1 デバイスに過ぎません。「FAN53870」を活用して設計を容易にしてください。また、さまざまな設計ニーズに対応する当社のポータブル&ワイヤレス・ソリューションを今すぐご覧ください。

 

 

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