10月 22, 2018

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モノのインターネット(IoT)が自分たちの生活をどのように向上させるかと考えた場合、ほとんどの人が一般的に思いつくのは目の前にあるスマート端末です。歩数をモニタするウェアラブル端末から、スマートフォンを使用してプログラムできるLED電球まで、私たちは常につながっています。多くの人が意識していないのは、LPWA(Low Power Wide Area、低電力広域通信)プロトコルであるSigfoxなど、目に見えないところで生活に影響を及ぼしているワイヤレス通信技術です。

第4の産業革命であるIndustry(インダストリー)4.0は、2011年の世界経済フォーラムでクラウス・シュワブ(Klaus Schwab)氏が初めて使用した言葉であり、真のスマート工場を意味します。IoTソリューションを製造およびサプライチェーンに組み込むことにより、製造メーカーは、データのグローバルなネットワークへアクセスし、製造のプロセスと資産の全体像を最初から最後まで捉えることができます。製造メーカーにとって、この接続された技術は、サプライチェーン全体を通して物品の正確な位置を把握できるため、機械のメンテナンスの課題を、より簡単に予測し、診断できるという安全と保証を意味します。スマート工場の実現において最も重要なことは、ToC(total cost of ownership、総所有コスト)を最小限に抑え、容易に拡張可能で、信頼性があり、容易なクラウド接続が可能な技術を見つけることです。また、ワイヤレス通信技術の場合は、導入が容易で、長距離通信で、低電力であることも重要です。


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Sigfoxは、LPWAN(Low Power Wide Area Network、低電力広域通信網)を使用して、資産管理、ビルオートメーション、自動メータ読み取り(スマートメータ)などの産業用IoTアプリケーションに、シンプルで、信頼性が高く、低コストで、スケーラブルなコネクティビティを可能にします。Sigfoxは、携帯電話網に非常によく似たインフラを用い、免許不要のISM周波数(たとえば、日本では 920 MHz、ヨーロッパでは868 MHz、米国では902 MHz)の超狭帯域で稼働し、少量のデータ転送をサポートしています。センサ版のSMS(ショートメッセージサービス)のようなものと考えることができます。Sigfoxは、他の無線通信規格に代わる最も低コストな規格で、都市部では約1~3km、地方では最長10km、洋上や理想的な条件では最長100kmの長距離通信をサポートしています。

オン・セミコンダクターは、世界のすべてのSigfox地域(RCZ1~RCZ4、RCZ7)向けソリューションのリーディングサプライヤの1社です。当社のSoC(System-on-Chips、システムオンチップ)およびリファレンスデザインは、Sigfoxで認証済みであり、ATとAPIのバリエーションが用意されています。シリアルリンク制御によるモデムが必要なソリューションの場合はATを選択し、真のワンチップシステムの場合は、APIソリューションを選択して、内蔵のマイクロコントローラ、当社が提供する開発ツールとSigfoxライブラリを使用できます。


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AX−SIP−SFEUは、産業用IoT向けの、すぐに使用できる超小型のSigfoxコネクティビティ(アップリンクとダウンリンク)を提供する、完全に統合されたSiP(System-in-Package、システムインパッケージ)であり、現在はSigfox RC1ゾーンネットワークで実証済みであることに加え、CEマーキング適合認証を取得しています。SiPは、 Sigfox無線機能、ディスクリートRFマッチング、必要なすべての受動素子、ファームウェアを1つの小型ソリューションに搭載しています。AX-SIP-SFEUは、外付け部品や追加認証を不要にすることで、設計のリスクとコストを大幅に削減し、市場投入まdの時間を短縮し、サプライチェーンを簡素化します。

Sigfox開発キットには、AX-SIP-SFEUをベースにSigfox接続アプリケーションを迅速に開発できるように、無料の2年間のSigfoxサブスクリプションが付属しており、Sigfoxスタックで事前にプログラムされています。この開発キットはリファレンスデザインとしても使用でき、ユーザはSigfox ready™ 認証を再利用できます。