今後数年間で数十億台のIoT デバイスが設置され、その半数近くが屋内環境で使用されることが予想されています。現在、これらのデバイスの電源にバッテリーを使用することは、その開発に大きな制約となっています。
当社、Dracula Technologies は、デジタル印刷された有機太陽電池モジュールに精通したディープテック・スタートアップであり、低消費電力の屋内IoT センサノードをサポートするために、周囲の光(自然光または人工光)からエネルギーを生成できる革新的な技術であるLAYER® (Light As Your Energetic Response)の開発企業です。LAYER® は、そのサステナビリティへの貢献が評価され、2021年のCES イノベーションアワードを受賞しました。
当社のLAYER 技術をラボ内から週に数百枚のモジュール生産へと発展させたことで、IoT 機器メーカーのニーズが進化し、性能、カスタマイズ性、低いエコロジカルフットプリントの面で、当社の有機薄膜太陽電池技術が提供するものと密接に連携するようになりました。当社は、半導体ソリューションプロバイダーが、メンテナンスコストやバッテリー廃棄による環境への影響を軽減するために、コンポーネントの全体的なエネルギー消費量を削減し、バッテリーの寿命を延ばすという大きなトレンドを目の当たりにしてきました。
LAYER の機能を実証するために、当社は太陽電池を搭載した屋内用無線センサノードの概念実証(Proof of Concept 、PoC)の環境を開発し、オン・セミコンダクターのRSL10ソーラーセル・マルチセンサ・プラットフォームを統合しました。RSL10 ソーラーセル・マルチセンサ・プラットフォームはユーザフレンドリなキットで、LAYER® が供給する電力を管理し、エナジーハーベスティングと低消費電力の電子部品を組み合わせることで、IoT デバイスの寿命を延ばすことができることを実証しました。LAYER はソリューションの一部分(ハーベスター)に過ぎないため、LAYER によるエナジーハーベスティングが、Bluetooth® Low Energy 技術に対応した自律型センサに、どのように電力を供給できるかを実証するためのシステムソリューションを見つけることが不可欠でした。RSL10 ソーラーセル・マルチセンサ・プラットフォームは、その課題に完璧にマッチしていて、容易にPoC を開発できました。
図1. Dracula Technologies 社のLAYER とRSL10 ソーラーセル・マルチセンサ・プラットフォームを用いて開発したPoC
今回のPoC では、以下のような機能を備えたシステムソリューションが求められました。
- 低消費電力のBluetooth LE コネクティビティ
- 当社のLAYER 技術による実装の容易さ
- 異なる種類のセンサのサポート
- 低消費電力
- 小型でコンパクトなフォームファクター
- スマートフォンやPC を用いてデータの取得と視覚化が可能
オン・セミコンダクターのRSL10 ソーラーセル・マルチセンサ・プラットフォームは、さまざまな低消費電力センサと業界で最も低消費電力のフラッシュベースのBluetooth LE 無線を備えており、OPV 技術によるエナジーハーベスティングの可能性を実証するための最適なシステムソリューションでした。RSL10 に出会う前に設計した最初のプロトタイプには、主に使用されている電子部品やファームウェアに関連するいくつかの欠点がありました。他のBluetooth LE 対応無線デバイスは、ウェイクアップ時やアドバータイジング時に大きなエネルギーを必要としました。また、これらの段階でのエネルギー消費を最小限に抑えるようにファームウェアが最適化されていないという問題もありました。RSL10 は、ディープスリープモードで50nA しか消費しないため、今回のPoC には理想的な選択肢でした。
RSL10 ソーラーセル・マルチセンサ・プラットフォームとDracula Technologies 社のLAYER® を組み合わせることで、IoT デバイスメーカーのニーズを満たす完全なソリューションを提供できます。当社のPoC では、効率的なエナジーハーベスティング管理によって自律的な物体を接続することができます。私たちの目標は、グリーンで環境に優しいソリューションを提供しながら、バッテリー交換などのメンテナンスに伴うコストを取り除くことで、「インストール&フォーゲット」システムを実現することです。
オン・セミコンダクターのエナジーハーベスティング・プラットフォームの詳細については、以下の開発リソースをご覧ください。
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