IoT（モノのインターネット）は、エネルギー消費の点で岐路に立たされています。従来のエネルギー源ではその拡大に対応できるか否かについて疑問がより多く提起されています。そのため、市場の潜在性が大きい代替エネルギーと低電力接続の組み合わせに目を向けるメーカーが増えています。
1つの新しいアプローチは、オン／OFFスイッチのようなボタン操作の動きや力から、ダイナミックなエネルギーを得る方法です。ワイヤレスのバッテリ不要のスイッチがもたらすメリットは明らかで、実装の容易性と消費電力という IoT 機器メーカーの最大の懸念を解決します。
この種のデバイスは配線が不要なため、ビル内の導入で比類のない柔軟性を提供します。壁に固定することも移動式にすることもできます。また、メンテナンスの煩わしさがなく、バッテリの交換と廃棄に伴う環境への影響がありません。このように環境に優しいシステムには、数多くの利点があります。配線なしで好きなところにスイッチを設置し、メンテナンスやバッテリ交換なしに寿命の期間にわたって機能を発揮します。ケーブルを介した情報伝達とは対照的に、自己給電型の無線スイッチは据え付けが容易なため、ビルサービスにとっても魅力的です。
たとえば、壁に穴を空けることなく新しい照明スイッチを設置できます。特にケーブルの敷設に掛かる時間はアプリケーションにとって不釣り合いのケースなど、産業（インダストリアル）オートメーションでの使用においても数多くの可能性があります。この場合も、環境発電式の無線スイッチは、有線式のマイクロスイッチに対してコスト効率の良いバッテリ不要の代替手段を提供します。
スイッチの物理的な設計もはるかに容易になり、従来は考えられなかった創造性と新しいデザインスタイルが可能になります。
このような環境に優しいアプリケーションを実現するには、低電力性に適した無線プロトコルを資料することが重要です。1つの選択肢は、Zigbee Alliance™ の Green Power™ プロトコルです。
Zigbee Alliance による Green Power プロトコル
Zigbee Alliance の Green Power プロトコルは、エネルギー消費を最適化するだけでなく、さらに環境発電（エナジーハーベスティング）にも対応してており、コネクティッド照明やビルオートメーションを含めた産業用 IoT アプリケーションにおいて優れた潜在性を提供します。Green Power プロトコルは、長距離接続が可能で、大規模ビルへの導入が容易であり、柔軟な導入と再構成のオプションを提供し、環境に優しい低電力設計により、あらゆる新しい建築物のトレンドに対応します。
低電力アプリケーションにおいて、Green Power プロトコルには、通信距離にプラスとなりうる以下のような数多くの利点があります。
- 高速周波数ホッピング（Fast Frequency Hopping、FFH）のスペクトラム拡散を使用して、通信距離を向上
- 低いビットレート（250 kb／秒）により感度を向上
- 高いTx パワー（8 dBm）
- 混雑の少ない無線スペクトラムの使用
Strata 対応 Zigbee Green Power Kit
Strata 対応 Zigbee Green Power Kitは、バッテリ不要の Zigbee Green Power アプリケーションにおける NCS36510 の使用例を示すものです。このキットは、Strata Developer Studio™とインタフェースを取る1個の Zigbee Coordinator（ZC）USB デバイスと、Zigbee Green Power Devices（ZGPD） として機能する、2個のエナジーハーベスト・ノードで構成されています。Strata Developer Studio は、現代のスマートホームの仮想開発環境を備えており、Zigbee 3.0 照明システムとドアのセキュリティセンサの両方をシミュレートできます。これらのデバイスのZF スイッチを押すとエネルギーが生成され、 NCS36510の電源として使用されます。Zigbee Green Power Kitの設計は、エナジーハーベスタ（環境発電機能）、シンプルなダイオード整流ブリッジ、クランプ、56 マイクロファラドの小型ストレージコンデンサ、NCS36510 トランシーバ で構成されています。
図 3 Strata 対応 Zigbee Green Power Kit のシステム概要
Strata 対応 Zigbee® Green Power Kit
Strata 対応 Zigbee® Green Power Kitの詳細は以下の開発リースをご覧ください。
開発リソース
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