10月 22, 2019

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電気自動車市場-プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)および電気自動車(EV)は、2025年までに1500万台の電動パワートレインの需要創出につながると見込まれています1]。自動車1台ごとに車載充電器(On-board Charger, OBC)が必要であるという事実は、特にパワーレベルおよび専有面積に関連して、このようなアプリケーションの代替ソリューションの需要が拡大することを意味します。

オン・セミコンダクターは、この課題の克服に向けて取り組んでおり、プラットフォームベースの三相11 kW車載充電器(オンボードチャージャ)開発キットを販売しています。この新製品は、既存の車載充電キットポートフォリオを拡張するプラットフォームです。

この新製品により、オン・セミコンダクターは、AC充電の主流の電力レベルに対応し、OBCソリューション向けの市場の開発スイートに幅広い独自の価値をもたらします。

この開発キットは、設計者および開発者にオン・セミコンダクターのOBC用の幅広い製品ポートフォリオを、関連する豊富な付属品と併せて提供します。この中には、パワートレイン向けのSiC MOSFET、SJ MOSFET、IGBT、APMから、メインシステムおよび補助パワーシステム用のコントローラ、CAN通信用のトランシーバ、センシング用の高性能アンプまで含まれています。

これらの製品はすべて、リファレンスデザインキットで使用され、テスト、文書化されています。


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11 kW オンボードチャージャ基板

この三相11 kW車載充電器(オンボードチャージャ)キットの目的は、三相PFC-LLCトポロジーのノウハウを迅速に構築し、実践的な体験を身に着けると同時に、この種のアプリケーションにおける最先端のSiCパワーデバイスを評価できる環境を提供することです。OBCにSiC技術を導入することで、効率性と電力密度の向上、より高速な動作、そして最終的には車両に不可欠な、システムサイズの縮小の機会が広がります。

基板は、モジュラー方式のアプローチで製造されており、テスト容易性と変数測定の利点、およびデフォルトの構成を元にさまざまなハードウェア構成を探求できる可能性をもたらします。さらに、実行可能なデジタル制御およびGUIを活用することにより、起動の簡素化と使いやすさを実現し、評価プロセスを高速化します。基板に搭載されているSiCパワーデバイスは、MOSFET 1200V、80 mΩ(NVHL080N120SC1)、SiC MOSFETドライバ6A(NCV51705)およびダイオード650 V、30 A(FFSH3065B)で、これらのデバイスによりアプリケーションを高いレベルの効率で(PFC>98.0%およびLLC>97.0%)で駆動できます。


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OBC ブロック図

 

このプラットフォームの適用範囲は、自動車分野のみならず、他の分野にも広がっており、EV充電ステーション、電源、およびUPSシステムに導入できます。

詳しくは、オン・セミコンダクターの車載充電器(オンボードチャージャ)ソリューションをご覧ください。

[1] Strategy Analytics, Automotive Electronic Systems Demand 2019