7月 08, 2018

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クラウドパワーは、クラウドでデータを伝送、保存、処理するために使用する電源を説明する際に使われる一般的な用語です。テレコムまたは伝送において、ベースバンド装置向けの電源とリモート無線装置向けの電源があります。データの保存と処理に使用されるサーバファームでは、一次的な停電が発生してもクラウドへアクセスするために大型の無停電電源も必要です。また、各サーバでは、POL(Point of Load)電源を提供する多くのDC・DCコンバータに加え、電源装置(PSU)も必要です。

IoT(モノのインターネット)の出現によりデータを捕捉するエンドポイントの数が劇的に増加しており(2017年のデバイスの出荷数は2015年と比較して54%増の約20億個)、データを処理し保存するために大量のストレージが必要になっています。そのため、大量の電力を消費する大規模なサーバファームが建設されており、最終的には電力変換における損失が起きて熱を発生させます。この発熱は非常に膨大であるため、冷却費はサーバファームの稼働における主要コストの1つになっています。そこで、PSUメーカは、より効率的なPSUの構築を常に模索しています。また、効率性の向上による冷却費の抑制に加え、より多くのサーバを同じスペースに収用するためにPSUのサイズも小型化する必要があります。


Networking
Networking and computing power

データの伝送には、多くの様々な方法がありますが、2019年には、次世代のワイヤレス通信である5Gが導入されます。5G技術がフルに活用されれば、現在の4G LTEネットワークよりも10倍速い速度を実現できます。この速度の増加はより多くの電力を必要とし、各5G無線におけるパワーMOSFETの数は約5倍増加します。

この状況に対処するために、オン・セミコンダクターは、クラウドパワー市場の効率性の目標を十分に満たすための高性能のディスクリート・ソリューションを提供しています。新しい高性能のディスクリート650 V SuperFET III MOSFETファミリーにより、クラウド電源は、旧世代のSuperJunctionデバイスと比較してより高い効率性を達成できます。SuperFET III技術は、Easy Drive、FRFET、Fastの3つのバージョンで提供されます。最高の効率を得るために使用するべきバージョンは、アプリケーションおよびトポロジにより決まります。

二次側に関しては、オン・セミコンダクターは、クラウド電源向けに最適化された中低電圧のMOSFETの包括的なポートフォリオを提供しています。30 V、40 V、60 V向けのT6技術では、業界最小レベルのRDSonを実現しています。25 V、40 V、60 V、80V向けの新しいT8技術では、T6と同じ超低RDSonを実現するとともに、スイッチングパラメータをさらに向上させています。80 V、100 V、120 Vでは、優れたRDSonとボディダイオード性能を備えたPTNG技術が使用されています。効率性と堅牢性の限界に挑んでいるメーカは、PFC(power factor correction、力率改善)ステージで使用するために、オン・セミコンダクターの650 Vおよび1200 Vの炭化ケイ素(シリコンカーバイド、SiC)ダイオードのようなデバイスを探し求めています。PFCは、SiCの恩恵をすぐに享受できる最適なアプリケーションです。なぜなら、シリコンダイオードにおける大量の電力損失を発生させる逆方向回復時間が基本的に存在しないからです。

クラウドに依存するIoTが劇的に増加する中、最も効率的な電源でクラウドを稼働させることが重要です。オン・セミコンダクターは、25 V~650 Vの業界最先端のMOSFETを提供し、次世代のSiC半導体を開発することにより、自らの役割を果たしています。クラウドパワーの詳細は、こちらの当社Webサイトをご参照ください。