1月 10, 2022

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多くの人が知っている(そして好きでもあり、嫌いでもある)トールマストアンテナの時代は、もうとっくに終わっています。これらの古いアンテナスタイルは、標準的なAMとFMのアナログラジオ受信に最適でした。しかし、今日の自動車は、米国のSirius XMのような衛星ラジオ、GPS位置情報サービス、デジタルオーディオバンド、テレビなど、はるかに多くの無線コンテンツを受信します。これら一つひとつが、現代の車載ラジオを構成する上で重要な役割を担っているのです。

AM/FMは受信料不要のコンテンツであることは言うまでもありませんが、緊急放送にはAM/FMが必要であり、多くの自動車メーカーが安全機能として考えていることをご存じない方もいらっしゃるかもしれません。GPS位置情報、LTE/5G携帯電話機能は、現在、車載緊急通報、衛星ラジオ、自動運転システムの一部となっています。これらのサービスは、電気的には、AMラジオの高kHz帯からGPSの1.5GHz帯、SXMの2.3GHz帯まで、それぞれ独自の周波数帯を持っています。それぞれの駆動回路は異なり、従来は別々の電子制御ユニットに設計されていました。スマートアンテナでは、これらの駆動回路のほとんどを一つの筐体に実装し、シャークフィン型、マイクロポール型、ガラスアンテナなど、さまざまな形状にすることが可能です。

 


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1. シャークフィンアンテナ、マイクロポール、ガラスアンテナ

 

ディスクリート半導体の集積化が進んだ現在でも、様々なアプリケーションでディスクリートならではの低ノイズ、高ゲイン、アイソレーション性能が求められています。これらの利点により、車載ラジオは信号強度を維持するだけでなく、多くの厳しい気象条件や立地条件下でも明瞭な音声を提供することができます。スマートアンテナは、無線周波数(RF)ディスクリートデバイスのポートフォリオを示す一つの完璧な例です。

 

 

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2. AM/FM RFフロントエンドの回路ブロック図

 

一般的なAM/FM RFフロントエンドの回路(図2)は、ローノイズアンプ(LNA)、オートゲインコントロール(AGC)、電圧調整、静電気放電(ESD)保護機能などに使用する複数のディスクリート半導体で構成されています。オンセミonsemi)の車載認証製品の広範なポートフォリオにより、全ブロックで必要なすべての部品が提供されます。高耐圧の接合型電界効果トランジスタ(JFET)である「NSVJ3557SA3」と「NSVJ3910SB3」は、5V駆動で9.5dBの電力利得を実現する堅牢なAM LNAソリューションを提供します。

同様にFM LNAでは、高利得(22dB)、低雑音指数(2.0dB以下)のRFバイポーラ接合型トランジスタ(BJT)ソリューションである「NSVF6001SB6」と「NSVF6003SB6」により、受信感度を改善し、FMの音質向上に直接的に貢献します。

AGCやコンペンセータ回路は低電圧領域で動作し、ディスクリートデバイスならではの低寄生素子ソリューションが必要です。デュアル・ショットキ・バリア・ダイオード「NSVR351SDSA3」は、1pF以下の容量と低い順方向電圧(VF)を持ち、ゼロバイアス・レベル検出の感度を向上させます。信号が検出されると、オペアンプ(OP Amp)で電圧を調整しますが、これには、低静止電流の「NCV2904」が適しています。デュアルPINダイオード「NSVP249SDSF3」は、低直列抵抗 (2.5 Ω) で、レベル調整/補償された信号のRFスイッチとして機能し、AGCブロックを完成できます。

これらの製品を組み合わせることで,クラス最高の利得とノイズ性能を持つ完全なAM/FMフロントエンド・ソリューションを提供できます。回路設計者は、集積回路のソリューションよりも、上記のようなディスクリート実装の方が、より幅広いチューナー能力を利用できます。これにより、今日の自動車の厳しい環境に対応するために必要な、より柔軟な設計が可能になります。

ESD 保護ダイオードは通常、無線部品とは別に、アンテナ・コネクタに直接配置され、高感度なフロントエンド・ブロックを保護します。オンセミの製品「SZESD7551 」や「SZESD7410 」は、現在の市場で最高レベル(30kV)の ESD 耐性を持ち、オーディオ信号の妨害を防ぐために必要な非常に低い寄生容量と相互変調歪み(IMD)性能を提供します。図 3 は、これらの市場をリードする RF ディスクリート部品をシャークフィンアンテナアプリケーションに実装したものです。

 


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3. AM/FMフロントエンドの実装例

 

次の機会に、カーラジオをスキャンして最適な曲を探す際や、最新の交通状況を聴取する際には、オンセミの小信号RFコンポーネントにより、どんな道路状況でもクリアなオーディオが提供されることを実感できるでしょう。当社のウェブサイトwww.onsemi.jp で、この記事で説明した各ブロックの回路実装に関する技術文書、GPSやDABなどのアプリケーション、およびポートフォリオ内の全品番をご覧いただけます。

 

設計向け資料: