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9月 29, 2020

世界中のすべての人が、新型コロナウィルス感染症による困難な新環境に対応しようとしています。私は比較的幸運で、自宅のオフィスを、一年生の遠隔授業と共有しなければいけないだけで済みました！

このような状況に直面しながら、企業は市場と顧客に引き続き販売する方法を探っています。この新しい現実に向き合って6ヵ月が経過した今、産業市場の動向は明らかになってきました。

よく耳にする言葉の一つは、感染症流行はすでに進行していた多くの潮流を加速しているというものです。これは、産業市場でも同様です。すべての動向の根底にある一貫した考えは、レジリエンス（弾力性）です。

産業市場の主要セクター（クラウドネットワーク、エネルギーインフラ、産業オートメーション）における動向を個別に見てみましょう。

クラウドネットワーク

この半年間におけるロックダウンや隔離によって、インターネットの利用は、従来以上の速さで増加・進展しています。必需品の配送をオンラインで注文するようになり、今後、食料品店に再び足を踏み入れない人が多くいるでしょう。私たちは想像した以上に、オンラインで勤務し、交流し、勉強し、遊び、組織的活動を行っています。そのためのツールを学び、慣れなければいけない状況です。

幸いにも、通信と情報ネットワークのためのインフラは非常によく動作し、増大したトラフィックと負荷に持ちこたえています。ネットワーク利用の増加は、この重要インフラ構築の投資に拍車をかけています。5Gインフラの設置を加速し、クラウドコンピューティングのデータセンターを拡張し、ラップトップパソコンの購入さえも増えています。

クラウド・エッジコンピューティングと5Gネットワークは、オン・セミコンダクター製品にとって主要なアプリケーション分野です。この製品群には、電力変換用の中高電圧MOSFET、多相コントローラ、コンピュータ・コア電源向けDrMOSパワーステージ、 多数のペリフェラルおよび補助機能向けPOLデバイス があり、メインのコンピューティングとネットワークをサポートします。オン・セミコンダクターの主要製品には、さらに、ASICとプロセッサー間のデータフローを保証する、タイミング、クロック分配、シグナルインテグリティ、また信頼性を高め、センシティブな回路の破損を防ぐ eFuseやバス保護デバイスがあります。

エネルギーインフラ

化石燃料の価格が下落していることにより、石炭エネルギーの復活と内燃機関自動車の購入が良いと考える人が現れるかもしれません。しかし、電力需要が低下したことによって、再生可能エネルギー利用のシェアが増加しています。太陽光や風力資源は「必ず使用」しなければならないからで、そうでなければ失われてしまいます。発電所規模のエネルギー貯蔵施設の設置が増えると、日中は余剰な太陽光電力を、太陽が沈み需要が高い夕方に使用するのが、さらに容易になります。

過去10年の間に、再生可能エネルギーの価格は目覚ましく急速に低下しています。ここ数年にバッテリー技術で同様のことが起こっており、こうした進展は確実に継続します。場合によっては、新しい太陽光発電所を建設するほうが、既存の石炭発電所を運転するよりも安くなります。コストが激しく変動し、市況に大きく左右される化石燃料とは対照的です。再生可能エネルギーは、より安価でコストが安定しています。

オン・セミコンダクターは、太陽光発電、エネルギー貯蔵、電気自動車充電ステーションの実現を支援するリーディングカンパニーです。スーパージャンクションMOSFET、IGBT、SiCダイオードおよびSiC MOSFETなど、オン・セミコンダクターの広範なパワーデバイス製品は電力変換向けの基本となるビルディングブロックを提供し、再生可能エネルギーを電力網に供給し、バッテリー、揚水発電、または落下するコンクリートブロックからでさえも貯蔵や放電を可能にします。オン・セミコンダクターのパワースイッチは、モジュールに統合されてDC/DCブーストとインバータのトポロジを提供します。絶縁型ゲートドライバを使用して、これらのトポロジと、正確かつ高信頼のフィードバックのための安定性の高いオペアンプ、補助電源供給用のスイッチとコントローラを制御し、システムが完成します。

産業オートメーション

レジリエントなサプライチェーンは、企業の経営陣の間ではすでに優先事項でした。タイの洪水、日本の津波、最近では通商面の高まる緊張が原因です。これは、すぐに用途を変えられる冗長で柔軟な生産を意味します。懸念の中に感染症の伝染とフィジカルディスタンスを加えるなら、物流と製造のますますの自動化が優先事項になります。

自律的な倉庫、配送ロボット、協調型の製造ロボットは、費用低減と品質向上のために既に設置され始めていました。この動きは加速しており、ロボットを対象としたサブシステムを設計・構築し、そのサブシステムをアプリケーション固有のマシンに組み込むという両面で、ますます多くの企業の取り組みが見られます。

インテリジェントなロボットの中核となるのはデジタルの脳ですが、オン・セミコンダクターは、ロボットの他のすべての機能を実現する製品を提供しています。当社の業界をリードするイメージセンサは、ハイダイナミックレンジ（HDR）に最適化され、正確性とスループットを最大化するグローバルシャッタを備えています。オン・セミコンダクターは、モータ駆動用に広範なソリューションを提供し、DCブラシモータ、ステッパモータ、BLDCモータを、ゲートドライバ、MOSFET、パワーモジュールと統合モータドライバでサポートします。Bluetooth、Wifi、ZigbeeのコネクティビティのソリューションとAC/DCコンバータデバイスにより、ロボットのその他の重要な機能をサポートします。