6月 11, 2024

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QDual3モジュールは同じフォームファクタと熱しきい値で10%高い電力を供給

オンセミ(本社: 米国アリゾナ州スコッツデール、Nasdaq:ON)は、新製品となる最新の第7世代1200V QDual3絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)パワーモジュールを発表しました。新製品のパワーモジュールは、高い電力密度を提供し、市販されている他の製品よりも10%高い出力電力を供給します。800アンペア(A) QDual3モジュールは、最新のFS7 (Field Stop 7) IGBT技術をベースにしており、業界をリードする効率を達成し、システムコストを低減して設計を簡素化します。QDual3モジュールは、150kWインバータにおいて最も近い競合製品と比較して損失が200ワット(W)少なく、ヒートシンクのサイズを大幅に縮小できます。このモジュールは、過酷な条件下でも動作するように設計されており、ソーラーファーム、エネルギー貯蔵システム(ESS)、商用農業用車両(CAV)、産業用モータドライブなど、高電力コンバータに最適です。現在、用途に応じてNXH800H120L7QDSGSNXH800H120L7QDSGの2種類の製品を提供しています。

再生可能エネルギーの導入が進むにつれ、ピーク需要を管理し、継続的な電力供給を確保するソリューションの必要性が高まっています。電力網の安定性を維持し、コストを削減するために、ピークカット(ピーク時間帯の電力消費量を低減すること)が不可欠です。QDual3モジュールの使用により、同じシステムサイズでより高い電力を出力するソーラーインバータやESSシステムを構築することができ、より高効率のエネルギー管理や蓄電能力を実現し、ソーラーパワーの電力網へのスムーズな統合を可能にします。さらに、このモジュールは余剰電力をESSに蓄えることで、太陽光エネルギーの変動を緩和し、信頼性の高い一貫したエネルギーフローを実現します。大規模システムの場合、QDual3モジュールを並列に接続することで、出力電力を数MWまで増やすことができます。800AのQDual3は、従来の600Aモジュール・ソリューションと比べてモジュールの数を大幅に削減し、設計を簡素化して、システムコストを削減します。

QDual3 IGBTモジュールは、最新のGen7トレンチフィールドストップIGBTとダイオード技術を統合した800Aハーフブリッジ構成を備え、オンセミの高度なパッケージング技術を駆使して設計されており、スイッチング損失と導通損失を低減します。FS7技術により、ダイサイズが30%縮小され、モジュールあたりのダイの数を増やすことができるため、電力密度を向上させ、最大800A以上の最大電流容量を実現します。IGBT Vce(sat)が1.75V(175℃)と低く、Eoffも低いため、800AのQDual3モジュールは、エネルギー損失が次善の選択肢よりも10%低くなっています。QDual3モジュールは、車載アプリケーションに要求される厳しい規格にも適合しています。

オンセミのパワーソリューションズ・グループのインダストリアル・パワーディビジョンで、バイスプレジデントを務めるスラヴァン・ヴァナパーティ(Sravan Vanaparthy)は、次のように述べています。「トラックやバスなど商用車両の電化が進み、再生可能エネルギー源の必要性が高まる中、電力をより効率的に生成、貯蔵、分配するソリューションが求められています。再生可能エネルギー源から電力網、貯蔵システム、下流負荷へのエネルギー伝送において、可能な限り電力損失を低く抑えることがますます重要になっています。QDual3は業界標準のピン配置と市場をリードする効率を備えており、電源設計者はプラグアンドプレイで即座にシステムの性能向上を実現することができます」


詳細情報:

製品ページ:NXH800H120L7QDSGSNXH800H120L7QDSG

データシート:NXH800H120L7QDSGSNXH800H120LQDSG