10月 05, 2023

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最新のアプリケーションの中には、地球の未来にとって最高に魅力的なものもありますが、それらは同時に私たちが直面する最大の技術的課題でもあります。例えば、ソーラーパワーでは無限のエネルギー源へのアクセスが可能ですが、商業的に成功するには、コストやサイズを抑え、より高い電力能力と効率向上を実現しなければなりません。

自動車の世界では、今や電気自動車(EV)が一般的なものとなっていますが、利用可能な充電インフラ、充電に要する時間、限られた航続距離に対する懸念のため、いまだ普及は停滞したままです。設計者は、コストを削減しながらトラクションインバータオンボードチャージャ(OBC)などの要素を含むパワートレインの電気的効率、サイズ、重量を改善するという課題に直面しています。

 

シリコンカーバイドデバイスのメリット

シリコンベースの半導体デバイスは、発明されて以来、電力アプリケーションの主役となってきました。性能の向上と電力変換トポロジにおける技術革新により、効率レベルは向上し続け、大部分のアプリケーションの要件を満たすようになりました。

しかし、性能向上に対する継続的なニーズを満たすための進歩の余地がほとんどないため、新しいアプリケーションでは、シリコンカーバイド(SiC)や窒化ガリウム(GaN)などのワイドバンドギャップ(WBG)半導体の採用が拡大しています。


図1:SiCデバイスの特徴を生かした多様なアプリケーション


SiCパワー半導体は、本質的に電子移動度と飽和速度が高く、高周波において比較的低損失の動作が可能なため、スイッチングアプリケーションにおいて、容積の大きい磁性部品のサイズとコストを削減できます。


図2:SiCが電力システムにもたらす多くのメリット


WBGデバイスは伝導損失も低く効率向上に寄与します。これにより、充電器はバッテリを急速に充電でき、冷却要件が軽減されるため、ヒートシンクを小型化しコストを低減することができます。SiCは動作接合部温度(Tj)が175℃と高いため、ヒートシンクの必要性はさらに低くなります。

絶えず効率の向上を追求する中で、アプリケーションは電流の減少とそれに伴う損失の減少をもたらす高電圧化への移行が進んでいます。例えば、ソーラーアプリケーションでのDCバス電圧は、ここ数年で600 Vから1500 Vに上昇しました。同様に、EVの400 VDCバス(バッテリ電圧に基づく)は800 Vさらには1000 Vに移行しています。

このような変化が起こるまでは、定格750 Vのシリコンパワー半導体が、ほぼすべてのアプリケーションに十分なものでした。しかし、安全で信頼性の高い動作のために十分な耐電圧を確保するには、定格1200 Vまたは1700 Vのデバイスが必要です。幸いなことに、SiCのもう一つのメリットはこれらの電圧で動作できることです。

 

SiC技術に基づく最新のスイッチングデバイス

オンセミは自動車やソーラーなどの主要アプリケーションにおける高耐圧のニーズに対応するために、このほど高速スイッチング、高効率動作に最適な1700V M1プレーナ型EliteSiC MOSFETデバイスを発表しました。

市販された最初のデバイスの中で、NTH4L028N170M1はVDSSが1700 V、拡張VGSが-15/+25V、標準RDS(ON)が28mÙであり、現在使用されている最も高いバッテリ電圧に対応しています。最大175℃の接合部温度で連続動作が可能なため、ファン(信頼性に欠ける場合がある)やヒートシンクなどの冷却手段の必要性が低くなります。一部のアプリケーションでは、追加冷却を完全になくすことができます。

NTH4L028N170M1のもう一つの有用な機能がTO-247-4Lパッケージ内のケルビンソース接続であり、電力損失を改善しゲートピンのノイズを低減します。

図3:オンセミの新しい1700 V EliteSiC MOSFET


新しいMOSFETをサポートするために、オンセミNDSH25170ANDSH10170Aを含むD1レンジの1700 V SiCショットキーダイオードも発表しました。高電圧定格により、VRRMとピーク繰り返し逆電圧間の電圧マージンが追加され、信頼性が向上するメリットが得られます。さらに、D1ショットキーダイオードは、最大順方向電圧(VFM)が低く、優れた逆方向リーク電流を実現しており、高温下でも信頼性の高い高電圧動作が保証されます。


図4:オンセミの新しい1700 Vショットキーダイオード


これらの新しいダイオードはTO-247-2パッケージで、またはベアダイとして提供され、あらゆるアプリケーションの機械的制約に適合します。

SiCデバイスの供給保証

ソーラーやEVなどの大量生産および高成長アプリケーションにおけるSiCデバイスの性能と人気を考慮すると、世界のサプライチェーンがやや長く伸びているのは驚くことではありません。場合によっては、そのために出荷できるソーラー設備やEVの数が制限されていたはずです。つまり、部品の選択プロセスではメーカの供給能力が鍵になります。

オンセミは最近、GT Advanced Technology (GTAT)を買収しました。それによって、量産ブール成長、基板、エピタキシ、デバイス製造、クラス最高の集積モジュール、ディスクリートパッケージングソリューションなどのエンドツーエンドの能力を持つ大規模SiCサプライヤとなりました。

SiCデバイスに対する継続的なニーズに応えるために、オンセミのロードマップでは、2024年までに基板、デバイス、およびモジュールの生産能力を大幅に増強するものとし、中期的にはさらに意欲的な計画を掲げています。

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