4月 05, 2023

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Bluetooth® Low Energy (LE)対応デバイスでは、機器が長時間にわたって非アクティブになることがあります。そのため、超低消費電力スリープモードを備えた高効率のワイヤレスマイクロコントローラ(MCU)の必要性が重要な検討事項になります。システム全体の性能を最適化するためには、高効率で低消費電力のスリープモードを備えた超低消費電力ワイヤレスMCUを選択することが重要です。

Bluetooth LE技術を搭載したMCUの仕様書を丹念に調べ、超低電力が実際に何を意味するのかを把握することが設計者の責任です。アプリケーションに最適なソリューションを見つけることは、データシートを比較して最も低い消費電流を探し出すほど簡単ではありません。単なる低電流ではなく、スリープに多くの意味があるのです。スリープモード、低消費電力モード、または休止状態には、以下に示すような考慮すべき重要な側面があります。

  • 消費電流
  • ウェイクアップソース
  • メモリ保持
  • ウェイクアップ時間
  • 外部センサの読み取り機能

 

消費電流

スリープモードでの低消費電流は好ましいことです。消費電流は、低いほど良いのですが、設計者は最小電流のスリープモードで利用できる機能についても考慮する必要があります。最小スリープ消費電力を達成するには、1つのウェイクアップソースに必要なハードウェアを除いて、電源をオフにできるハードウェアブロックはすべてオフにします。通常、汎用入出力(GPIO)ウェイクアップソースでのスリープ電流が最小になります。ただし、GPIOを唯一のウェイクアップソースにしても、アプリケーションは対応できるのでしょうか? もしそうであれば、可能な最小限のスリープ電流に抑えることができます。

 

ウェイクアップソース

GPIOを唯一のウェイクアップソースとして使用するのがアプリケーションにとって不適切な場合は、スリープモードの機能を詳細に調べて、他にどのウェイクアップソースを利用できるか確認する必要があります。アプリケーションによっては、複数の同時ウェイクアップソースを持つことが必要な場合もあります。有用なウェイクアップソースとしては、タイマ、アナログコンパレータ、他のサブシステムからのイベントなどがあります。残念ながら、スリープモードで機能が有効化されると消費電流が増加するため、慎重な設計を心掛ける場合は、データシートに記載されているスリープ電流の最小値以外のことも考慮しなければなりません。

 

メモリ保持

メモリ保持もスリープモード時の大きな電流消費の要因です。メモリの保持は場合によっては不要ですが、アプリケーションにタスクスケジューラやリアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)を搭載している場合や、ワイヤレス接続を維持している場合には必要です。どの程度の量のメモリを保持する必要があるでしょうか? これはアプリケーションのニーズ、ワイヤレススタック、ハードウェア設計によって異なります。まずハードウェア設計から考察してみましょう。メモリ回路がメモリ内容をすべて保持するか、まったく保持しないように設計されている場合、大量の未使用メモリに電力を供給することがありそうです。例えば1 KBバンクなど、粒度が低すぎる場合はハードウェアの電源スイッチ数が多くなり、結果的にリークによる消費電力が増加します。一般的には、約8 KBの粒度が目安であり、複雑すぎたりリークが過剰になったりすることのない、十分な粒度を提供します。ワイヤレススタックは、接続を維持するのに必要なメモリ保持を少なくし、アプリケーションの設計でもメモリ保持量を制限しなければなりません。

 

ウェイクアップ時間

ウェイクアップ時間(スリープ状態から通常動作モードに復帰するまでの時間)は、メモリ保持と密接に関連しています。アプリケーションの起動や応答ができるだけ早いことは必須ですが、ウェイクアップ時間も消費電力に影響します。ウェイクアップ時間が短いということは、処理作業を迅速に終了し、すぐにスリープに戻ることを意味します。メモリを保持することで、ウェイクアップを早くすることができますが、スリープ電流が増大することにもつながります。そのため、設計者はマーケティング用語を調べて、アプリケーションの重要事項を詳細に理解する必要があります。

最後に、スリープモードではスリープとウェイクアップ以外に何ができるのか? 大部分のワイヤレスMCUは、スリープモードでは少なくともリアルタイムクロック(RTC)での刻時はできますが、もっと有用なオプションを提供しているものもあります。外部センサの読み取りはどうでしょう。アプリケーションでセンサを監視する必要があり、センサがしきい値に達するまで何もしない場合は、スリープモードのままで、しきい値に達したときにのみウェイクアップするのはどうでしょう。ワイヤレスMCUの中には、それが可能なものもあります。

オンセミRSL15は、超低スリープ電流とモデムBluetoothアプリケーションに必要な設定をサポートするワイヤレスMCUです。GPIOウェイクアップからスリープ中のセンサを読み取るスマートセンスモードまで、RSL15はアプリケーションのニーズに応える超低消費電力と設計の柔軟性を備えています。図1は、RSL15の最小スリープ電流が36 nAと驚異的な値であることを示しています。

 


1RSL15MCUデータシート

 

ハードウェアおよびファームウェアのシステム設計エンジニアは、効率的な超低消費電力ワイヤレスMCUを作成するために、スリープモードのさまざまな側面を完璧に理解する必要があります。消費電流、ウェイクアップソース、メモリ保持、ウェイクアップ時間、およびセンサ監視機能を慎重に検討することで、接続デバイスやスマートホームからインテリジェントビル、スマート産業、スマートシティまで、アプリケーションに合わせた最適なシステム設計を実現できます。

オンセミBluetooth LE仕様で提供される機能をサポートするRSL15およびその他のオンセミMCUの詳細については、当社の最新の低消費電力ブログで常に新しい情報をご確認ください。