10月 05, 2020

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PoE(Power over Ethernet)は、社内電話など低電力デバイスで使用するために 2003 年から導入されてきました。これを使用すると、1 本のケーブルで電力とデータを電子機器に供給することができ、IP カメラ、電話、無線アクセスポイント、インテリジェント LED 照明など、IoT (モノのインターネット)におけるネットワーク接続デバイスで特に役に立ちます。


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ユーザーは、配線の統合により追加配線が不要となることで PoEの恩恵を受けます。また、従来の配線と違って PoEの配線には電気工事士の免許が必要ないため、さらなる大幅なコスト削減につながります。この技術の導入時点では、IEEE802.3at タイプ 1 仕様に基づき 15.4 ワットに制限されていましたが、電力要件の高まりにより、年月が経つにつれて、定格電力は、IEEE802.3at タイプ 2 で 30 ワット、IEEE802.3bt タイプ 3 で 60 ワット、最終的に 2018 年の IEEE802.3bt タイプ 4 の導入では 100 ワットに増加しました。


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100 ワットは、送電側の最大出力であり、最終機器に供給される電力ではありません。最初の電力クラスの識別後、最終機器に供給される電力は、システムの効率性に完全に依存します。効率性を最大限に高めることが重要であるため、最大可能な電力ステージを導入することは、最優先にすべきです。 PoEの範囲拡大とともに、定格電力に異なる仕様を用いたエンドユーザーの多くの異なる機器へ電力を供給する能力が実現されました。

USB-C™ (別名USB Type C) と Power Delivery (電源供給、以下 PD)を備えた PoE を導入することにより、さまざまなデバイスと即時にインターフェースを取ることができます。 USBC-PDでは、5V、9V、15V、および 20V の出力が可能であるため、スマートフォンからノート PCまで多くの電子機器を充電できます。PoEシステムに対する USBC-PD 出力は、共通の便利なオフィス間 IoT 電力供給を可能にするとともに、レガシーの PoE デバイスから今日の新たな IoT 導入への橋渡しとしての役割を果たします。


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PoEアプリケーションに関して、オン・セミコンダクターは、PoE (Power over Ethernet)ベースのシステム向けに、「NCP1096 PoE電力供給デバイス・インタフェースコントローラ」を提供しています。このコントローラを使用することにより、PoEシステムの DC-DC ステージへ電力を供給するために、IEEE802.3bt ベースのシステムだけでなくレガシーの電力分類システムともインタフェースを取ることができます。また、PoEインタフェースステージには、オン・セミコンダクターの「FDMQ8205A Greenbridge高効率ブリッジ整流器」が含まれており、クワッドMOSFETを用いた従来のブリッジ整流器に置き換わり、より効率的な PoE電力変換を実現します。

次のステージは、DC-DC 変換ステージです。オン・セミコンダクターは、PoE (Power over Ethernet)のシステム仕様に合致する、幅広い絶縁型および非絶縁型の DC-DC 変換製品を提供しています。「NCP12700フライバックPWMコントローラ」は、一次側の PWM コンバータとして、小型で簡素な設計しやすいフライバックを提供しています。NCP12700の高いコンフィギュラビリティと少ない部品点数により、システムは、コスト効率性が向上し、設計の考慮点が容易になります。「FDMS86255 150V 12.4mΩ NチャネルMOSFET」は、一次側の PoE (Power over Ethernet)アプリケーションに理想的です。というのは、低い RdsOn と高い定格電圧により、安全な定格電圧で効率的に電力変換できるからです。


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DC-DCコンバータの二次側は整流が必要です。「NCP4306同期整流器コントローラ」と「FDMS86202 120V 7.2mΩ N-Channel MOSFET」の組み合わせにより、すべての USBC-PD 出力電圧の中で効率的な二次側整流を実現します。最終ステージは、USBC-PDコントローラである「FUSB3307 USB電源供給 3.0 Adaptive Source Chargingコントローラ」です。FUSB3307 は、PD3.0 準拠、低電流センス抵抗機能、N チャネル MOSFET ロードスイッチ機能を備えた高集積 USBPDコントローラであり、最新の仕様に合致する効率的な USBPD を実現できます。

オン・セミコンダクターのソリューション・ポートフォリオを使用することで、PoE (Power over Ethernet) から USBC-PDまでの完全な設計が可能になり、新世代の IoT デバイスを実現できます。この製品ポートフォリオには、設計プロセスの複雑なステージを支援するために、リファレンス設計と設計ツールが含まれています。

本ブログで紹介した部品、および PoE (Power over Ethernet)USB-C ソリューションに関する当社のソリューションと技術に関してこちらをご覧いただき、設計にお役立てください。

USB-C に関する他の資料:

リファレンス設計:

 

関連ビデオ:

NCP12700 を用いた 45W PoE-PD デモ

 

 

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