8月 13, 2019

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今回は、ワイドバンドギャップのエコシステムに関する3部構成のシリーズの最終回です。パート1 では物理的に拡張可能なモデルに焦点を当て、パート2では当社のSiCパワーMOSFETモデルの特徴に焦点を当てました。パート3ではモデルの検証に焦点を当てます。


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最初に、上記の図1に出力電流・電圧特性を示します。このモデルは、高いゲートバイアスおよびドレインバイアスでのドリフト領域のピンチを含む、バイアス範囲全体を正確に予測しています。右側のプロットの正確な導通シミュレーションは、モデルの連続性を示しており、これは確実な収束性能にとって重要です。隠れた不正確性および不連続性を明らかにするために、一般的に線形チャートに加えて対数チャートを検証します。


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2

図2に、広い温度範囲に対する電流・電圧、RDSon、しきい値電圧の結果を示します。温度性能が安定しているSiC MOSFETデバイスは、非常に魅力的です。設計者は、温度に対する非常に正確なモデリングを活用できます。


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3

本シリーズのパート1 で、複雑なデバイス容量に関する物理モデルを紹介しました。図3はその結果を示しています。左側の CRSS(またはCGD)シミュレーションは、2桁以上のデータの多重屈折を追跡しており、対数チャートでのみ見ることができます。


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4

正確にモデル化された固有の容量とデバイスレイアウトの寄生成分により、図4に示すスイッチング結果が得られ、追加のモデル調整は不要です。この高い忠実度により、アプリケーション設計者は、dV/dt、dI/dt、スイッチング損失、EMIなどデバイスと回路の相互作用を正確にシミュレートできます。また、ゲートドライバと電源ループの相互作用を検証して最適化できます。

当社にとって、お客様のさまざまなシミュレーションプラットフォームの要件に対応することが重要です。したがって、SPICEの不可知論的アプローチが必須です。不可知論的とは、業界標準のシミュレーションソフトウェア間の最小公分母のみを使用して、シミュレータ依存型の専用ソリューションから脱却することを意味します。

オン・セミコンダクターは、高度なワイドバンドギャップ・デバイス とシミュレーション環境のポートフォリオを提供しています。この完全なラインアップは、エコシステムを形成しており、お客様が、新しいエキサイティングなワイドバンドギャップ・アプリケーションおよびシステムの潜在性を最大限に実現できます。