5月 11, 2020

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電気モータ用の高出力ドライブシステムは、電力消費量の半分以上を占めるインダストリアルオートメーションロボットシステムの主要コンポーネントです。このようなドライブシステムは、省エネルギーを達成する上で中心的な機能を有します。

オートメーションの加速により、モータドライブシステムは将来の産業の中心に位置づけられます。高電力での効率と信頼性の向上は、引き続き産業用ドライブソリューションの重点項目となります。

インバータ化されたモータドライブの利点を以下に示します。

  • フルスピード動作時の効率向上
  • 必要に応じてより低速度で動作できるため、効率をさらに向上

モータドライブシステムの分類には、さまざまな方法があります。インテリジェントパワーモジュール(Intelligent Power Module、IPM)は、インバータと内部ドライバがを1つのモジュールに実装しています。パワーインテグレーテッドモジュール(Power Integrated Module、PIM)は、通常はドライバを含まず、インバータコンバータ回路とブレーキ回路を実装しています。これは、三相交流入力アプリケーションでは、インテリジェントパワーモジュールが非常に大きくなるためです。

ドライバを含まないモジュールの回路を以下に示します。


figure_5

モジュールのピンは、下記の理由により、互いに一定の距離をあけて配置する必要があります。

  • 安全性
  • 長期的な信頼性

この距離は、ドライブの最大動作高度、システムの実効電圧、システムで使用される絶縁、モジュールとプリント基板の汚染度およびCTI(Comparative Tracking Index、比較トラッキング指数)などの要因に基づいて、アプリケーションごとに計算する必要があります。

一般的なモータ駆動アプリケーションの詳細な計算は、モジュールの最小寸法が70mm前後になります。ゲートドライブ制御ピン用のスペースを追加すると、最小モジュール寸法はさらに大きくなります。

低電力の3相AC入力アプリケーションでは、IPMモジュールとゲル充填モジュールの両方が広範囲で使用されています。IPMモジュールは整流器を内蔵しておらず、ゲル充填モジュールはドライバを内蔵していません。新しい設計では、はんだ付け装置ロボットのさらなる普及にり、ゲル充填およびIPMモジュールの両方ではんだ付けピンの使用することがトレンドになっています。

ここで、新製品のTMPIM(Transfer Molded PIM、トランスファーモールド PIM)モジュールの断面図を示します。説明のためにスケールが拡大されていることに注意してください。

 


figure_5

TMPIMには、既存のモジュールよりも明らかに優れている点が1つあります。モジュール全体の厚さは8mmです。ピンの上部とヒートシンクの上部の間は6mm の間隔であり、必要な5.5mmの隙間よりも大きくなっています。ゲル充填モジュールもこの要件を満たしていますが、かなり厚くなります(TMPIMの8mm に対して 12mm)。IPMモジュールはより薄くなります。その結果、機構設計者は、ヒートシンクを成形する必要があり、製造コストが追加されます。

TMPIMで使用されるIGBTは、堅牢なフィールドストップ(Field Stop、FS) II 1200V IGBTで、150℃、,900Vバス電圧、15Vゲートドライブで10us以上の短絡定格を有しています。これらのモジュールは、リリース以前に、ベンチテストを含むモータドライブテストで広範囲にテストされていました。絶縁ゲートドライバ NCD57000 は、TMPIMの駆動に理想的です。TMPIMごとに6つの独立したドライバが使用されます。絶縁ゲートドライバ NCP57000 には、過負荷電流を検出した後に IGBT のソフトシャットダウンを実行する DESAT 機能があり、短絡状態における高速すぎるターンオフから生じる過度な電圧スパイクを防ぎます。

TMPIMファミリは、1000を十分に超える熱サイクルを達成できます。ヒートシンクを一切持たない標準的なゲル充填モジュールは、通常、わずか200熱サイクルしか達成できません。モジュールのパワーサイクル曲線は、接合部温度の変化に応じた、優れたパワーサイクル能力を示します。TMPIMの高電力モジュールには、高性能の酸化アルミニウム基板が使用されます。熱抵抗が低いほど、熱変化が小さくなり、パワーサイクル曲線を読み取る際に、パワーサイクル性能が高くなります。

現行のTMPIMは、高性能基板を有する定格 25A、35A、50Aの 1200V CIB(Converter-Imverter-Brake、コンバータ・インバータ・ブレーキ)モジュールです。す。このシリーズの新しい製品は、650V CIBモジュール、650V 6パック、1200V 6パック、およびインターリーブPFCと6パックを内蔵した 650V モジュールのラインアップを提供します。

TM PIMs IGBT電力統合モジュールの詳細は、チュートリアルのビデオでご確認いただけます。オン・セミコンダクターのインダストリアルドライブソリューションの詳細をご覧ください。業界をリードするMOSFET、IGBT、ゲートドライバ、パワーモジュールなど、オン・セミコンダクターのモータドライブソリューションの完全なポートフォリオについてご説明します。

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