8月 06, 2024

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スマートドアホンが、玄関先まで人が歩いてきたときに、どのようにしてそれを検出するのか、あるいは重要なカメラの動きをどうして識別できるのか不思議に思ったことはありませんか?その答えはイメージセンサです。ドアホンに内蔵された小型センサは、玄関先に近づく人やモノの画像をはっきり表示することができます。これらは常時、フル状態(フル解像度、30fps)で動作します。これらの機器が24時間365日稼働する必要があることを考えると、一般的なバッテリ駆動機器(一例として)がどれくらいの期間、確実に動作できるか疑問に思うかもしれません。

オンセミの最新イメージセンサファミリHyperluxTM LPは、ウェイク・オン・モーション(WOM)と呼ぶ機能を内蔵しており、フルパフォーマンスモードでの所要電力の数分の1しか消費しない低消費電力モードでのセンサ動作が可能です。センサが動きを検出すると、写真を撮るよりも短い時間で高性能動作状態に移行します。このブログでは、ウェイク・オン・モーション機能の利点と使用可能なさまざまなシナリオを詳細に説明します。

WOMの利点

イメージセンサのWOM機能により、カメラが映し出している範囲内の物体の動きに基づいてビジョンシステムを動作させることができます。センサがWOMモードで動作しているときは、プレディテクト状態(低解像度、低フレームレート)になったままです。動きが検出されると、イメージセンサは撮影範囲に本当に動きがあったかどうか判断し、イメージシグナルプロセッサ(ISP)/システムオンチップ(SoC)に通知します。そして後者は、その動作がアプリケーションにとって本当に正しいかどうか判断し、正しい場合はビジョンシステム全体をウェイクアップさせて、所定の動作を実行します。ほとんどのアプリケーションでは、ビジョンシステムを常時ネイティブモード(フル解像度、最大フレームレート)で動作させる必要はないので、この機能は大きなメリットです。この状態が必要なのは通常、動作時間のごく一部のみで、それ以外の時間では、センサは消費電力が最も低いプレディテクト状態になります。


モーション検出後のウェイク・オン・モーションの動作例
モーション検出後のウェイク・オン・モーションの動作例


プレディテクト状態では、Hyperlux LPイメージセンサの消費電力は、ネイティブモードで消費される電力の100分の1以下です。WOM機能は、消費電力に敏感なビジョンシステムの省電力化と動作サイクルの長寿命化に大きな効果をもたらします。バッテリのような有限電源または連続電源の場合でも、最低電力レベルで動作する能力があります。前者の場合は充電サイクルの大幅な延長が可能であり、後者の場合は遠くにある中央処理システムではなく周辺で動作する革新的な機能を備えた、差別化システムを提供することができます。

WOMを使用したアプリケーション

入退室管理(ビデオドアホン、生体認証)、公共セキュリティと安全(ボディカム)、セキュリティ(監視カメラ)に使用されるビジョンシステムは、すべてWOM機能を利用できます。  例えば、ビデオドアホンはバッテリ電源で駆動するか、または非常に低い電力(20W以下@力率1)で壁コンセントから電源を供給します。前者の場合、業界動向としては、現在180日の充電サイクルが要求されていますが目標は1年です。WOMのような機能がないと、撮影範囲における所定の動きの有無に関係なく、選択したフレームレートで常にフル解像度で処理を実行するようビジョンシステムを強制することになります。ほとんどの場合、このような処理が必要なのは、人がドアまで歩いてきたときだけです。ビデオドアホンはプレディテクト状態にしておくことができるため、システムを最低消費電力で動作させながら、WOMモードを利用していつでも通常動作に移行させることができます。


スマートドアホンでのプレディテクト状態とウェイク・オン・モーション動作状態
スマートドアホンでのプレディテクト状態とウェイク・オン・モーション動作状態


バッテリ駆動以外の監視カメラのようなアプリケーションも、大いにWOM機能の恩恵を受けます。WOMモードにおけるプレディテクト状態での動作条件が優れているため、撮影範囲内の途中経過を失うことなく、生成される帯域幅が大幅に削減されます。そのため、ストレージおよび熱管理要件が軽減され、ビジョンシステムの総所有コストを削減できます。

上記のようなWOM機能の基本形でも非常に役立ちますが、別のニーズはこれをモーションでさらに的を絞るにはどうすればいいかということです。例えば、木の葉が風に舞ったり、鳥の動きによる、イメージセンサやビジョンシステムのウェイクアップは避けたいものです。センサのターゲットを関心領域 (ROI) に保つことは非常に価値があります。

オンセミHyperlux LPイメージセンサファミリは、希望のROIに合わせて非連続的に調整できるWOM機能を搭載しています。この追加機能は、超低消費電力を実現するように設計されており、ビジョンシステムのアプリケーションでその能力を飛躍的に向上させます。

Hyperlux LPファミリの詳細については、お問い合わせください


関連資料:

低電力イメージセンサがビジョンシステムの設計と効率に革命をもたらす


Author Bio

Ganesh Narayanaswamy, Product Line Management, onsemi
Ganesh Narayanaswamy

Ganesh Narayanaswamy is responsible for the image sensors product line & business management in the Industrial & Commercial Sensing Division (ICSD) at onsemi. He focuses on bringing vision solutions to the commercial & industrial markets, and business growth in multiple geographical regions. Ganesh joined onsemi from Xilinx where he managed the Industrial Vision and Electric Drives businesses globally. Prior to that, he managed the Networking ASICs business at Avago and at ST Microelectronics, led the product marketing efforts for Structured ASICs at Altera, and designed/developed multiple devices at National Semiconductor. Ganesh holds an MBA from Santa Clara University and a MS(EE) from Mississippi State


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