9月 30, 2019

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先進国において、モータは生産された電力の50%以上を消費しています。これらのモータの少なくとも80%はAC誘導モーター(ACIM)であり、平均すると高々44%の効率でエネルギーを消費します。かつてなく増加する電力コストが要因となり、家庭および産業用に使用されるモータの効率向上を規定する法制やガイドラインが徐々に推進されています。これらの効率向上は、主に二つの方法によってもたらされます。

1) インテリジェントな電子制御を使用して、誘導モーターをより効果的に駆動

2) ACIMから永久磁石ベースのブラシレスDCモータ(BLDC)に移行

どちらの方法でも、パワー半導体ベースのインバータが必要です。その中心の、ACケーブルから給電する三相モータのインバータは、下記の回路部から構成されます。


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産業用モータ制御という用語には、さまざまな最終アプリケーション、環境、および最終的に仕様が含まれます。このブロック図は、ACケーブルから給電される中電力のモータ制御の最も多い構成を表しており、0~7.5馬力(hp)の範囲のモータが取り付けられます。この出力レベルでは、設置個所に応じて120から460ボルトAC入力電圧が使われるのが一般的です。ある場所では単相出力であり、別の場所では3相接続です。こうした多様なアプリケーション条件を満たすために、モータ制御の設計者は、多様な選択肢のパワー半導体と関連サポートを同様に利用できなければいけません。オン・セミコンダクターには、ターケット仕様に応じて、さまざまなブロックにわたって使用できる、数百から数千の実践的なソリューションを持つ、広範な製品ポートフォリオがあります。これにはモータ専用のパワー半導体の製品ラインも含まれ、性能、信頼性、柔軟性、および費用効率の高い設計で、業界で広く知られています。

この幅広い製品提供に加えて、オン・セミコンダクターは、電源からACケーブルで給電する3相モータ・インバータを使用する、両方の経路に対応した完全なシステムソリューションを提供します。インテリジェント・パワーモジュール(IPM)は、50Wから10kWの定格電力の範囲で熱に対して最適化されたパッケージで、駆動回路と統合された3相インバータを、提供します。IPMは、上記のパワー半導体に多くの受動ディスクリートを加えたものに相当する、高度に集積された半導体モジュールです。


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一般的なIPMは45~100個のディスクリート部品を置き換えます。IPMは、フォールトトレラント、PCBと親和性、ヒートシンクのと互換性があり、コントローラICと容易にインタフェースできるように設計されています。加えて、サーマル・インターフェイスからヒートシンク間で、2KV以上の絶縁能力を持っています。これらの高密度モジュールは、安全機関の厳格な要求を満たす理想的な低EMIソリューションです。IPMは、10hp未満の産業用モータ制御にとって定番のソリューションです。PIM(Power Integrated Module)は、10hp~100hp超に対応します。3相モータの出力とACラインの入力電力の相の数を混同しないことが重要です。これらに関連はありません。インバータ・モータ制御で駆動されているほとんどの産業用モータは、3相列の巻き線で製造されます。当社のIPMは、さまざまなタイプの3相モータを駆動するように、特別に設計されています。最も使われるものは、AC誘導モータ(ACIM)、ブラシレスDCモータ(BLDC)、ブラシレスACモータ(BLAC)、永久磁石同期モーター(PMSM)です。3相モータ(ACIM、BLDC、BLAC、PMSMなど)用のパワー半導体ソリューションに加え、永久磁石DC (PMDC)モータおよびステッピングモータ用の完全なソリューションも提供します。

電流・電圧検出は、あらゆる産業用モータ制御の中心です。モータの巻き線のそれぞれに、電流が適切な間隔で確実に供給されるようにするため、高精度ゼロドリフトオペアンプの製品ポートフォリオによりが費用効率と信頼性の高い製品を提供し、相電流を監視しマイクロコントローラに通知して、次のインバータレッグへの給電を決定します。

当社のインタラクティブ・ブロック図をご利用になり、ご自身のカスタムな製品リストを作成して設計を完成させてください。