8月 22, 2018

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現在の電子工学は、10年前と比べてかなり多い機能を取り込んでいます。エンジニアに対しては、高度なシステムを設計しながらも、エネルギー効率保持のため厳しいパワーバジェットに適合するよう創意工夫がたびたび要求されます。予測 システムメンテナンスや保護では、システムが素早く反応することが必要です。こうしたことを可能とする中枢機能の一つが、システム全体での電力消費量と電圧降下の監視です。

現在のあらゆる検出方法の中で最も一般的なものは、アンプを使ったシャント全体での電流のモニタリングです。電流検出は、電流検出アンプ(CSA)またはオペアンプ(OPアンプ)と外付けゲイン設定抵抗回路のいずれかを使用して実施できます(図1)。どちらを使うかは、性能要件ならびに部品表(BOM)の目標コストによります。

               

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図1(a) 外付けゲイン設定抵抗とオペアンプの回路                                      図1(b) 電流検出アンプ

性能の観点から言えば、ゲイン設定抵抗間の不整合は電流測定精度に影響し、結果的にはシャントサイズに影響を及ぼします。他の設計上の考慮点は、デバイスの仕様(入力オフセット電圧、コモンモード除去、ゲイン誤差)、シャントサイズ、シャント位置、PCBのレイアウトです。今後のブログでは、その各々について掘り下げていきたいと思います。今回は、これを高い視点から見てみましょう。

今回4種類のアンプ(LM358NCS20081NCS333NCS214R)を取り上げ、汎用アンプから高精度アンプ(図2および図3の左から右)の範囲全体における性能上の利点を比較対照しました。

NCV214Rは、ゲイン設定抵抗を集積して、整合性と共通モード性能を高めています。他のアンプでは外部抵抗ネットワークが必要となります。性能を比較するために、LM358、NCS20081、NCS333に良く整合した抵抗ネットワークを用いていると仮定しましょう。NCS214Rで最も精度が高くなり(図2)、高効率のソリューションが得られました(図3)。


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図2:固定のシャント降下(例:50mV)の場合、オフセット誤差は数桁の差がある。

 


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図3:システム効率を最大化するように設計すると、固定のオフセット誤差の場合、シャント降下を小さいほど電力損失が減少する。 

BOMコストの視点から言えば、汎用オペアンプ($0.10以下)を用いてコストを削減したとしても、良好な整合の抵抗ネットワークはコスト削減分を帳消しにするほど高価となるでしょう(約$1)。電流検出アンプは高価であると考えられていますが、トータルソリューションのコストを比較すると、オペアンプのソリューションよりも安くなることが多いのです。

しかし、ちょっと待ってください。もう一つメリットがあります。それはソリューションのサイズです。オペアンプに外付け抵抗ネットワークを付加した場合、uQFNまたはSC70パッケージのNCS21xRの面積よりも大きくなります。

詳細については、当社の電流検出アンプ製品ページをご覧ください。電流検出に関するご質問は当社のテクニカルサポートにお問い合わせください。

 Product WebpageNCS210RNCS211RNCS213RNCS214R
Gain (V/V)20050050100
Gain Error (%)1111
Offset Voltage (µV)353510060