3月 05, 2019

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3回シリーズの第1弾である本ブログでは、、NCS21xRシリーズやNCS199AxRシリーズなど、オン・セミコンダクターの電流センスアンプ(Current Sense Amplifier、CSA)の最適な機能を引き出すための、シャント抵抗器の正しい接続方法に関して説明します。

このシリーズのブログの第1弾では、シャント抵抗器における接続エラーの具体的な診断方法を説明します。これは、電流センスアンプを使用するお客さまが直面する圧倒的に多い問題であり、これらの測定エラーを素早く正確にデバッグする方法を解明していきます。

念頭に置いておくべき重要な要因の1つは、電流センスアンプは実際には差動入力の入力間の電位を検出し、電流ではなく、電圧を正確に増幅することです。つまり、電流は間接的に測定されているということです。シャント抵抗器を流れる電流は、出力電圧の測定値、アンプのゲイン、リファレンス電圧、シャント抵抗器の値を使用し、下記公式で計算できます。


figure_csa_equation

以下の項目と、下記のディシジョンツリーおよびデバッグ表を使用して、電流センスアンプ回路におけるシャント電流測定エラーを診断できます。

  • 電流センスアンプは、電圧アンプです。
  • アンプの入力ピンにおける電圧を直接測定します。結果は、抵抗器で測定した場合と異なる場合があります。
  • アンプの出力は、で直接測定した入力間の電圧(VShunt)とアンプのゲインの積になります。
  • ほとんどの場合、問題はシャントやシャント接続に関わっています。


figure_figure1_csap1

シャント電流測定エラー診断のディシジョンツリー

 

下記のシャント電流測定デバッグ表を使用することにより、アンプの入力ピンで直接測定した電圧とシャント抵抗器で直接測定した電圧の差異が大きいため、容認できないエラーをもたらすことが分かるでしょう。言い換えると、アンプは間違った電圧を正確に増幅しているのです!出力における最終的なエラーは、不十分なPCBレイアウトやシャント接続により、簡単に10~15%以上超える可能性があります。NCS21xRは、入力ピンで直接検出した電圧を正確に増幅します。

お客さまの電流センスアンプで期待した出力電圧を提供できない場合、このブログで説明されている、シャント接続のデバッグの簡単な手法を使ってみてください。これにより、デバッグの時間が削減され、問題を数時間ではなく数分で特定できます。

シャント電流測定デバッグ表の例


figure_figure2_csap2

このシリーズのブログの第2弾および第3弾にご期待ください。第2弾では、引き続き「正確なシャント抵抗器の接続」について説明し、最終回となる第3弾では「シャント抵抗器の良い接続と悪い接続」について説明します。