3月 23, 2022

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レイン&ライトセンサは、通常、自動車のバックミラーに設置される小型の光電子モジュールです。このセンサは、入射する太陽光と反射する赤外線の光に基づいて現在の走行状況をとらえ、その情報をLIN(Local Interconnect Network)インタフェース経由でボディコントロールモジュールに提供します。制御モジュールはこの情報をもとに、ヘッドライトやフロントガラス、HVAC(空調)などさまざまなシステムを自動化できます。

レイン&ライトセンサは、もともと周囲の明るさを感知してヘッドライトを自動点灯・消灯する便利な機能として高級車のみに搭載されていたものです。レガシーシステムは、トンネルに入ったときや非常に晴れた日に誤ワイプが発生することで知られており、別名ゴーストワイプとも呼ばれています。

現在では、ほぼすべての車種に採用されているレイン&ライトセンサのモジュールは、性能が大幅に向上しています。これらのモジュールは、セーフティクリティカルな機能においても進化を遂げました。

ヘッドライトの基本的なオン/オフに加えて、最新のレイン&ライトセンサはハイビームの自動切り替えも行います。ハイビームを選択的に作動させることで、他のドライバーの視認性を高め、道路上のすべての人の安全性を向上させます。

同様に、最新のレイン&ライトセンサは、基本的なワイパーのオン/オフ機能以外でも使用されています。最新のシステムでは、フロントガラスの水分量に応じて、間欠遅延を含むワイパー速度の制御も可能で、ドライバーがワイパー機能を完全にハンズオフできるため、運転や道路の監視により集中できるようになり、安全性が大きく向上しています。

 

 

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図1.  通常、レイン&ライトセンサはバックミラーの裏側に設置されている

 

最新のレイン&ライトセンサ・モジュールにはNIR(近赤外線)LEDが搭載されており、カメラのレンズのような特殊な光学インタフェースを通してフロントガラスを照らします。NIR感応型フォトダイオードは、反射光を測定します。雨や雪は透明なフロントガラスとは異なる信号の反射を生成するため、水分の検出が可能になります。可視光フォトダイオードは、車の周囲や前方の日照量を測定し、トンネルに入るときや出るときのヘッドライトの設定を決めるために使用します。さらに、誤動作を抑制する効果もあります。また、赤外線ダイオードを追加することで、太陽エネルギーの放射量を測定し、空調システムをより適切に制御できます。最後のフォトダイオードは、ヘッドアップディスプレイ(HUD)のバックライトの調光を自動的に制御します。

 

 

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図2.  レイン&ライトセンサのウインドシールドのインタフェース

 

オンセミのレイン&ライトセンサ・インタフェースNCV76124」は、市場で唯一の、機能安全規格、すなわちISO26262に対応した製品です。このデバイスはASIL Bに対応しており、完全な安全計画も用意されています。オンセミのレイン&ライトセンサは、SPI(Serial Peripheral Interface)インタフェースを介して容易に制御できるため、ソフトウェアのオーバーヘッドを最小限に抑えることができます。より多くのセンサチャンネルと非常に高いダイナミックレンジを提供し、最新の自動車に対応する高性能かつ安全なソリューションを実現します。また、SPIのプログラマビリティにより、1つのハードウェア構成で様々なアプリケーションをサポートします。

 

 

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図3.  レイン&ライトセンサ・ソリューションのブロック図

 

オンセミは、レイン&ライトセンサのほか、バッテリー保護システムベースチップSBC)、本システムで使用されているNPNバイポーラトランジスタのソリューションも提供しています。製品およびソリューションの詳細については、以下の資料をご覧ください。