11月 06, 2019

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データは、現代の世界で貴重な必需品です。 5Gなどのトレンドにより大量のデータを迅速に伝送できるようになり、VR / ARに必要なビデオコンテンツなどの大量のデータ形式のさらなる成長を促します。この重要な情報を安全に保存するために、クラウドへの依存が高まっています。

データ用ストレージのコストが低下するにつれ、古いデータの保管はさほど重要ではなくなっていますが、必要なストレージの容量が、かつてない速さで問題になっています。この結果、データセンターを運営し続けるために必要な電力は今や甚大で、急速に増加し続けているのです。現在、米国のデータセンターで消費される電力は米国の全電力使用量の3%と概算されていますが、2040年までに15%に達すると予測されています。

エネルギーは高価であり、十分な電力の利用を保証することは、データセンターの運営会社にとって重要な課題です。他の高価な要素は不動産であり、データセンターの設置面積は、毎年出荷される1,000万台の追加サーバーを収容するために拡大しています。コストを制御するため、データセンターの運営会社は、電力消費を減らして不動産の設置面積を削減する方法を模索しています。

これらの課題を解決するために、電力システムは、より効率的にならなければなりません。排熱を減らし、熱管理が問題にならないようにして電力密度を向上し、全体のサイズを小さくします。効率向上によりもたらされる温度低下は、信頼性にも寄与します。これは、データセンターにとって非常に有益です。

この性能と信頼性を達成するために、電力システムはより進化しており、特にスイッチング用パワーMOSFETとそのドライバの分野で、より高レベルの統合部品を使用するようになっています。最大レベルの稼働時間を保証するために、ファンやディスクドライブなどのデバイスをホットスワップできるようにするなど、追加の機能も組み込まれようとしています。

電力密度次のレベルに対しては、MOSFET、ドライバー、電流・温度用センサーデバイスを統合するスマートパワーステージ(SPS)ソリューションが有効です。このアプローチによって、構成部品が相互に適合・最適化され、個別のソリューションでは不可能な性能レベルを実現します。


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MOSFETの技術は大きく向上しており、制御ICとMOSFETを非常に効率的で小さなパッケージに統合することを可能としています。例えば、オン・セミコンダクターは最近、30Aの容量と複数の保護機能をわずか5mm×6mmのパッドに収めた1MHz DC-DCコンバーター(NCP3284)を発売しました。高い周波数で動作することによって、外部受動部品のサイズを削減することができ、全体の電力密度を高めます。

NIS5020NIS5820NIS6150などのeFuseは、データセンター向けの用途で重要な役割を果たします。これらのインテリジェントな半導体ベースのデバイスは、通電し続けながら負荷を削減する必要のある電力システムで、欠かせないものとなっています。これは、ファンやディスクドライブなど、故障しかけた部品の交換を可能にします。また、ディスクドライブのアップグレードなど定期保守もできるようになります。すべては、システムが稼働している間に行えます。

おそらく、データセンター関連の電力技術で最も大きな変化は、従来のシリコンベースのデバイスを新しい窒化ガリウム(GaN)やシリコンカーバイド(SiC)などのワイドバンドギャップ材料で置き換えようとする流れです。これらの素材をベースにしたデバイスは、高周波数と高温で動作できるだけでなく、本質的に高効率です。データセンターが求める、より小さく、より低温で、より高信頼・高効率のソリューションを作成できます。


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SiCベースのMOSFETのコストは半導体の同等品より高い状態ですが、コストは低下しています。また、半導体設計に比べて役割が少ないインダクターとコンデンサーの節約分によって、SiCベース電力ソリューションのBOMコストは、シリコンベースの設計に比べて今や低くなっています。これが、ワイドバンドギャップ技術のより急速な採用につながる転換点になると見込まれ、さらにコストを削減します。

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