6月 20, 2018

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統合が良いことである理由はたくさんありますが、通常は統合が進むごとに、より多くの電力が必要になります。POL (Point of Load)レギュレータは、必要な場所で適切なレベルの電力を確実に供給する素晴らしい役割を果たしますが、POL自身に課題もあります。

この課題には、もちろん適切な電力密度による高い効率性が含まれますが、高速の過渡応答、精密な公差、精度によるプログラム可能性と柔軟性も課題となります。このすべての課題を、熱管理に優れた信頼性の高い電流および電圧保護を備えたソリューションとしてまとめなければなりません。

電力の変換と制御はサーマルバジェットの範囲内で、より多くの電力を供給するために新たなレベルに到達する必要があります。同時に機器メーカーは、より高度の統合とより小さいPCBサイズを求めています。これらの全ての要件を満たすことはできるのでしょうか?


大電流のPOLアプリケーションには多くの課題がありますが、FAN6500XX製品ファミリは、それらを克服できるように設計されています。FAN65004B/5A/8Bファミリは、95%という高い効率で最大100Wの電力を供給することができ、小型の6x6mm PQFN35パッケージにおいてわずか29°Cの温度上昇で優れた熱性能を達成します。さらに、FAN65ファミリは、省電力モードを備えており、軽負荷条件での効率が向上します。

FAN6500xxは、マルチチップ・モジュールで、POLアプリケーション向けの中間バスを生み出すために必要な能動部品である同期整流型降圧PWM コントローラ、ドライバ、2つのMOSFET (ハイサイド/ローサイド)をすべてパッケージ化しています。この高度なレベルの集積により、多くの外部コンポーネントを不要にし、最適な出力フィルタのLとCのコンポーネントを使用できます。最適化したパッケージ設計、高度のアナログ技術スキル、優れたFOM (Figure-of-Merit)の MOSFETにより、FAN6500XXは最高クラスのソリューションとなります。


すべてのコンポーネントを1つのマルチチップ・ソリューションに集積する大きな利点は、ゲートドライバとMOSFET間の設計を最適化できることです。FAN6500XXは、オン・セミコンダクターのPowerTrench® MOSFET技術を使用しています。このシールドゲート技術により、スイッチノードのリンギングを減らし、シュートスルーまたはクロスコンダクションのリスクを低減します。また、モジュラー方式のアプローチにより、電源設計において故障ポイントが単一となるため、信頼性も向上します。

この幅広いVin (65V)を持つ製品ファミリは、6A、8A 、10Aの出力電流の違いで区別されます。全製品のピン互換性とスケーラビリティにより、機器メーカーは、PCB設計を完了した後でも、アプリケーションに最適なデバイスを選択できます。固定周波数電圧モードのPWM制御トポロジーにより、容易な補償、低出力リップル、低EMIを実現します。FAN6500XXは、高デューティサイクル(末尾「A」)と低デューティサイクル(末尾「B」)の両方のアプリケーションに対して最適化した性能を提供します。

より高い電力要件は、プログラム可能で同期可能なスイッチング周波数(100Khz~1MHz)の機能で対応できます。この機能は、複数のFAN6500XXを並列に使用することで入力リップルを低減します。

FAN6500XXデバイスは、4.5V~65Vの幅広い入力電圧をサポートしており、サーバーから、基地局の電源、ホームオートメーションまで、産業分野と民生分野のさまざまなアプリケーションに適用できます。また、バッテリーマネジメントシステムおよびUSB Power Delivery (PD)アプリケーションにも適しています。