9月 19, 2018

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センサをベースにする設計からパワーアンプまで、エレクトロニクス業界の多くのアプリケーションは、負電圧を発生させる要件に定期的に直面しています。この要件を満たすために多くの変圧器ベースの設計、チャージポンプ、その他の方法が使用されてきましたが、反転バックブースト・トポロジーは、設計の容易性で際立っており、電力とボードスペースを同時に削減できます。 

多くの新製品で高度な機能を望むのと同時にソリューションのサイズを縮小するという顧客要件が相反する中、既に多くのアプリケーションではパワーバジェットの余裕がなく、PCBの面積も制限されることがしばしばあります。反転バックブースト・トポロジーを使用した電源デバイスは、ソリューションを提供することができるため、システム設計者にとって大きな価値があります。

バックレギュレータは、反転バックブースト・トポロジーを使用して正の入力電圧から負の出力電圧を発生するように再構成できます。反転バックブーストは、バックレギュレータと異なり、「オフ」の時間に出力ダイオードを介してエネルギーを出力へ伝達します。そのため、使用するにあたり、平均出力電流が常に平均インダクタ電流より少ないことを念頭に置かなければなりません。また、設計において、VIN+|VOut|全体で効果的な入力電圧を実現するために、デバイスがGndではなく負の出力電圧を基準にしていることも考慮しなければなりません。

テレコム事業者は、GaN PAドライバへ負電圧を発生させるために2段階の設計を採用する傾向にあります。第1段階では入力電圧(通常48~65V)を12Vへ降圧し、第2段階では-6.5Vを発生させます。オン・セミコンダクターのNCP4060Aなどのデバイスを使用することにより、これを1つの段階に統合することで、高い入力電圧を負の出力電圧へダウンコンバートすると同時にスペースが限られたアプリケーションにおいて良好な効率性を維持し、ソリューションを手に入れることができます。


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バックブースト・トポロジーを採用するにあたり、考慮すべき重要な要因および課題がいくつかあります。オン・セミコンダクターのNCP4060Aは、パワーFETを集積した80V同期バックレギュレータで、最大6A DCの負荷に対応できます。これは、降圧においてVoutをGndで交換するだけで高い入力電圧から負の出力電圧へダウンコンバートする柔軟性を得られるデバイスの良い例です。


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正の入力から負の電圧を発生させるためにバックレギュレータICを反転バックブースト回路へ再構成する手順は比較的簡単ですが、バックレギュレータと反転バックブーストの根本的な違いを考慮すると、設計にあたって留意および守るべきアドバイスがいくつかあります。

その詳細に関しては、高電圧反転バックによる複雑さとボードスペースの削減に関するアプリケーション・ノートをご覧ください。