7月 10, 2018

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LED照明は、さまざまなエンドアプリケーションでますます普及を続けており重要性を増しています。この流れは今後も続き、最近のアプリケーションにおける低電力、低コスト、小型化の要件により加速化する見込みです。はるかに大きな柔軟性と融通性を備えたLED 照明による白熱電球の置き換えは、引き続き将来の成長の原動力となるでしょう。

LED照明の長所をすべて考慮しても、克服する課題が存在します。現在のソリッドステート照明ソリューションの大きな短所はLED自身ではなく、照明に必要な電源にあります。

最近まで、電源にはスイッチモード電源(Switched Mode Power Supplies、以下 SMPS)が使用されてきましたが、寿命および耐用年数に課題があり、かさばります。そのため設置上の問題があり、別にボードへの取り付けが必要となるため、それに伴う相互接続とリードがもう1つの潜在的な故障源となっています。また、SMPSには送風機など能動的な冷却装置が組み込まれているため、特に早い段階で故障が発生しがちです。さらに、電磁干渉(Electro-Magnetic Interference、EMI)の大きな発生源でもあります。

電源技術およびトポロジにおける最近の発展として、ダイレクトAC駆動(Direct AC Drive、以下 DACD)電源ソリューションの出現が挙げられます。この新しいアプローチにより、従来のSMPS は完全に不要になり、コスト、サイズ、寿命、信頼性の面で多くの利点をもたらします。オン・セミコンダクターのNCL30170(力率補正および正確な定電流調整のためのダイレクトAC駆動LEDドライバ)のようなデバイスは、多くのエンドマーケットのセクターでLED照明アプリケーションに求められる総合的な性能を、ダイレクトACアプローチで実現する上で役に立ちます。

一般的に、LEDドライブのDACDトポロジは、シャントまたはバイパスのいずれかに分類されますが、いずれも長所と短所があります。シャント型は、拡張が容易で、1つのICを使用することが多いためBOMに対しては良いのですが、熱性能の面で問題となる可能性があります。逆に、バイパス・トポロジは、複数のICを使用するためBOMが複雑になりますが、LEDストリングの多いアプリケーションにおいて、より適している可能性があります。短所は拡張性が制限されることです。

全体として、特にSMPSと比較してDACDは、LEDを推進する大きなステップですが、技術改善の余地と機会がたくさんあります。NCL30170は、改善の可能性を提供しています。このデバイスは、シャント・トポロジの長所をすべて備えていると同時に、複数のLEDストリングを接続できます。その結果、最大電力レベルによってのみ制限されるだけで、接続されるLEDストリングと外部スイッチの総数により10Wから200Wまで拡張できます。


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LEDを使用する、またはLEDに切り替える多くのアプリケーションにおいて調光機能は「必須」です。また、5%までのアナログ調光をサポートするNCL30170 などのデバイスの機能は貴重であり、必要な幅広い性能を提供します。多くの組み込みアプリケーションにおいて、一般的にフェーズカット調光として知られているパルス幅変調(PWM)調光が必要であり、この点でも NCL30170 は優れています。

詳しくは、NCL30170データシートをご覧ください。